寒いです…寒波が襲ってきてるらしいですね。布団から出るのにまぁまぁな時間が必要になってきました。私は北国育ちなんですが、なんででしょう?東京の方が寒く感るんですよね。家のつくりなんかも関係しているんでしょうか。
そんなことはさておき、以前レコードの針が折れてしまって、しかもそのカートリッジ(Audio-Technica AT-100E)がすでにディスコンになってしまい、どこ探しても無いから新しいの買おうかな。という記事を書きました。
そして色々と比較検討した結果新たに購入したんですが、結論から言いますと「NAGAOKA DJ-03HD」にしました。
まぁ何故ナガオカにしたかと言うと、第一候補だったというのもあったんですが、Twitterで記事をシェアしたところ何人かの方にいいね頂いたんですが、なんとナガオカのオフィシャルにリツイートされまして…こりゃにナガオカ買うしかないかぁ…ということなりました。(なんか嫌そうに書いてしまいましたが、嫌じゃないです。笑)
そして、タンテ買ったばかりの人はカートリッジの交換方法、針圧調整がややこしく思ってしまいがちですが、(私も最初ビクビクでした)全然そんなことは無くて、要するにこういうことです。みたいな解説をしようかと思います。是非参考にしてみて下さい。
NAGAOKA (ナガオカ) DJ-03HD
- スクラッチ対応 重針圧・高出力タイプ
- 出力電圧:6mV(5cm/SEC)
- 周波数特性:20Hz~20KHz
- チャンネルセパレーション:20dB(1KHz)
- チャンネルバランス:1.5dB以下
- 不可抵抗:47KΩ
- 不可容量:100pF
- カンチレバー:アルミ合金
- 針先:0.6mil 円錐・接合ダイヤ
- 適正針圧:3~5g
- カートリッジ自重:5.1g
- ヘッドシェル付自重:15.1g
実際使ってみた
こんな感じのパッケージになっています。
箱を開けるとこんなケースに入っています。基本はヘッドシェル付きの物しか無いようです。(※後述しますが、ある事情によりこのヘッドシェルにはシェルウェイトを取り付けました。通常は上に乗ってる板みたいなものは付いていないです。)
どうやらDJ-03HDのヘッドシェルは軽量化?の為なんでしょうか。穴がくり抜かれているものと、のっぺりしていてカートリッジを取り付ける用の穴しかないものがあるみたいですね。私が購入したものは後者のタイプみたいです。
やっぱりDJ用だからかAT-100Eと比べるとカンチレバーが太いですね〜。丈夫そう。
実際に聴いてみた印象は、ネットの評判通り確かに音がデカイです。そしてAT-100Eと比べても音圧というか押し出し感あります。じゃあラフな感じがするかといったらそんなことはなく、中高音部は実に繊細に鳴ってくれます。
リスニングの他にも録音にも最適なカートリッジだと思います。音量が稼げるということは、より小さいレベルで録音ができるのでS/Nに対しても有利です。解像度も高いのでサンプリングや音源のデータ化にも力を発揮してくれるのではないでしょうか。それと、さくっとバックキューなどはしますがスクラッチなどは全くしませんし、できません。笑 なので先程書いた通り、リスニングのみであっても前折った者からするとカンチレバー太いのは心強いですね。(ちなみに音源は80年代に発売したスティビー・ワンダーのベスト盤です。)
針圧の調整方法
実際聴いてみてDJ-03HDの音質は十分満足できるものでした。さてそれではタイトルの通り針圧調整の方法を解説したいと思います。針圧の調整は私も最初はこれで大丈夫かな…なんてビクビクしてやっていたんですが、決して難しく考えない方が良いです。私のように現場で活躍するDJでも無ければ、オーディオマニアでもないライトなユーザーは、基本的な事さえちゃんと押さえれば十分良い音で楽しむことができます。
解説といっても各部の名称や詳しい仕組みなどは省かせてもらいます。(そもそも私が完全に把握していないという…) 気になる方は各自調べて下さい。そして私に教えて下さい。笑
①まずはターンテーブル(レコードプレイヤー)が設置面に対して水平になるようにします。ターンテーブルにはインシュレーターという振動を吸収するクッションのような役割の”脚“が各角に4つ付いています。インシュレーターは回すことによって上下しますので、それぞれ高さを調整して下さい。
②次にトーンアームにカートリッジを取り付けます。カートリッジをトーンアームの先に差し込んだら、ツマミを回して締めて下さい。
②カートリッジをしっかり取り付けたら、まずトーンアームの後ろ(カートリッジの反対)に付いている重り「バランスウェイト」を回してトーンアームがターンテーブルに対して水平になる位置を探って下さい。バランスウェイトには奥と手前にダイアルがありますが、位置を調整する奥のダイアル(ウェイト全体)を回してください。
バランスウェイトは回すことで位置が前後するようになっています。シーソーのように重心が後ろにいけば先は上がりますし、重心が前にいけば先は下がります。乱暴にするとぶつかったりして針がダメージを受けるので、慎重に微調整を重ねて水平になる位置を探します。
③しっかり水平が取れたらトーンアームをホルダーにセットして、動かないようにロックを掛けて下さい。
④ロックしたら、トーンアームに黒いラインが入っていますが、手前のダイアルのみを回して目盛りの”0″(基準点)を黒いラインに合わせます。
⑤目盛りを”0″に合わせたらいよいよ針圧を掛けます。私は”3g“の針圧を掛けたいので、奥のダイアルのみを回して目盛りを”3“に合わせます。針圧はメーカーからカートリッジによりそれぞれ適正針圧が指定されています。DJ-03HDの場合、この記事の上の方にDJ-03HDのスペックを記載しましたが、その中に
- 適正針圧:3~5g
と表記されています。3g〜5gまでの間で針圧を掛けて下さいねーということです。例えばDJはキューイングやスクラッチをするので針圧が低いと針飛びしてしまうので針圧を高めに設定することが多いです。じゃあ6gとか7gとか適正より高い針圧に設定すればいいじゃんと思うかもしれませんが、針圧を高くしてしまうとその分針がレコードに強く当たってしまうので、レコードにも針にもダメージを与えてしまいます。逆に2gなど低くすると針がレコードの溝を正確にトレースできなくなってしまう恐れがあります。なのでこのカートリッジの場合、リスニング目的なら3〜4g、DJ目的なら5gに設定しておけばいいかと思います。(迷ったら真ん中にしとけば、まぁだいたい大丈夫です)
⑥針圧を設定したら、次にトーンアームの高さを調整します。まず「LOCK」と書いているレバーを矢印とは反対に倒し、ロックを解除します。そうしたら、掛けた針圧の分だけ高くします。3g針圧を掛けたので、調整ダイアルを回して目盛りを”3″に合わせて下さい。合わせたら再びレバーを倒してロックします。
※訂正 2019/12/22
SNSにて指摘を頂いたのですが、トーンアームの高さ調整の箇所に誤りがありました。
針圧値と同じだけ高くすると書きましたが、サービスマニュアルで確認したところ、アームの高さは使用するカートリッジの高さによって値が決まるそうです。(図参照)
誤った情報を掲載してしまい、大変申し訳ありません。サービスマニュアルを参考にして調節のほど宜しくお願いします。
⑦トーンアームの高さを調整しましたら、最後にアンチスケーティングの調整を行います。アンチスケーティング機構とは、回転するレコードの上にカートリッジ(針)を置くと、力学的に針が中心に向かう力が働きます。そのためレコードの溝の内側にしか針が当たらないよという事態になってしまい、ステレオの場合左右の音のバランスが悪くなってしまう恐れがあります。なので中心へ向かう力に、外側へ向かう力を掛けて相殺させるのがアンチスケーティング機構なのです。これもトーンアームの高さと同じように、ダイアルを回して針圧と同じ値に調整します。針圧3gなので三角形の目印の所にダイアルの目盛り3を合わせて下さい。
これでやっと針圧調整が完了しました。お疲れ様でした。
まとめ
どうでしょう?針圧調整は簡単でしたよね?勘の良い人なら気付いていると思いますが、要するにカートリッジを取り付けたトーンアームが水平になった所を基準点を”0″として、掛けたい針圧の値までウェイトを回せばいいだけです。そしてその他も針圧の値に設定する。以上です。
ただ、アナログの機器は少しの調整で聴こえ方が大幅に変わることがあります。なので基本は上記の方法なんですが、ここから自分の好みに合ったセッティングにするのがアナログの楽しみでもあります。例えば針圧を高めに設定すると針飛びもしにくくなるという効果もあるんですが、音質の面でも低域が増したりします。アンチスケーティングの値も左右の音の密度の調整にもなりますので、自分の好みの音や使用方法によってセッティングしてみて下さい。
ちなみに私は針圧3gでトーンアームの高さ3mm、アンチスケーティング0で調整しています。こういったカスタマイズして自分の理想に近づけていくといった楽しみも“レコード的音楽体験”の一部と言っていいでしょう。
そしてDJ-03HDのデメリットというか気になる点が一つあって、それはヘッドシェルの重さです。なんかメチャ軽いんですよね。普通に調整していくと、水平取ったところから3g掛けれないんですよ。3g掛けようとするとトーンアームからウェイトがスコッと抜けちゃうんですよね。笑
これはヘッドシェル+カートリッジの自重が軽すぎるからこうなってしまうんですが、そうなった場合ヘッドシェルにシェルウェイトという重りを乗せます。DJの方はよく一円玉乗せてたりしますよね。Technicsのヘッドシェル用で使っていないウェイトがあったのでそれを取り付けてみました。これで無事適正針圧を掛けることができました。なのでこのカートリッジを購入する方は、お使いのターンテーブルの種類にもよりますが、ウェイトを付けるかヘッドシェルを重いものに交換しなければならない可能性があるので注意して下さい。
そんなところでカートリッジが新しくなりましたので、これからも引き続きレコードライフを楽しみたいと思います。それと他にもリード線をビンテージの線に替えてみたり、他のカートリッジ(例えばダブルアームでMC型とか)を試してみたいなぁなんて考えていますので、その時はまた報告しますねー。