前半からの続きです。仕様や実際の使用感など書いてみたいと思います。
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RANE MP2016aとXP2016aの仕様・各部画像
MP2016aは基本的にステレオ6chのミキサーです。4chがフォノ/ラインで、2chがマイクなどのキャノンが接続できます。各チャンネルにゲインとロータリーフェーダーが搭載されています。
その他にはブースの出力切り替えや、外部ユニットXP2016aのON/OFFなどのスイッチ。そしてマスターの出力に+6db〜カットオフまで調整できる3バンドのEQが付いています。
そして下段の外部ユニットXP2012aですが、まずは全ch独立して3バンドEQが掛けられます。MP2012a単体だとマスターのみでしたが、各chをイコライジングできます。
特徴的なのが、XP2012aにはクロスフェーダーが搭載されているところです。それを各chのEQの下にAとBに振り分けるスイッチあって、更にはクロスフェーダーのカーブも3種類切り替えられるようになっています。
ロータリーフェーダーによるロングミックスも可能ですが、バトルDJのようにスクラッチにも対応することができます。まぁDJじゃないし、こうやってラックマウントにしちゃうとかなり無理がありますが…
そして次は背面です。
上部右側はフォノのインプットが4chと、アース(グランド)の端子があります。左側はマイクのキャノン端子が2chあって、それぞれ高、低域の調整やゲイン、マイクとラインの切り替えスイッチなどがあります。
下部右側にはAUXの入力、外部ユニットのXP2016sとはブレイクアウトケーブルで接続します。その他には細々とテープ(外部機器)の入出力や、エフェクトのセンド&リターンがあり、出力はブースがRCAで、マスターがキャノンとRCAになっています。ACアダプタのコネクタはMP2016a、XP2016aともにモジュラーコネクタになっています。
ちなみになんですが、このラックスタンドは純正ではありません。キクタニ ラックマウントスタンド 19インチ 8Uという商品です。ロータリーミキサーはこうやって角度を付けて設置することが多いんですが、これは安くておすすめですよ。MP2016aとXP2016aは共に3Uなので6Uのラックケースだとぴったりです。
音質や使用感
音質に関しては、聴き比べもしていないので他のアンプやミキサーと比較できないのですが、自分が思ったよりも特に低域に癖があるとは感じませんでした。聴く音楽のジャンルにもよるんでしょうけど。ただそれもイコライズできるので、気になったら調整しています。レコードのプチプチノイズもある程度高音抑えると気にならなかったりするので、便利ですね。後は以前紹介した「BOSE AW-1D」に慣れているのもあるかも…?ちなみにレコードの方はスピーカーを「APOGEE DUET FW」DACを経由して「KRK ROKIT5 RP5 G2 」に接続しています。
安いラインのタンテと比べると音は太くなっていると思います。ハイファイというより音圧が明らかに上がって前へ押し出してくる感じがあります。そして一般的にアナログは低音域もしっかり出ているので聴き疲れないと言われていますが、たしかにそう感じました。MP3をイヤフォンでシャカシャカ聴いていると、ちょっともういいかなって時あるんですが、レコードは落ち着いて長ーーく聴いていられます。
それと話がちょっと変わっちゃいますが、個人的に感じたのが古いレコードと、現行のレコードを聴き比べると明らかに現行の方がマスタリングのレベル(音量)が低いですね。古い方が大きいのかな?これどうなんでしょう?下北のJET SETでGOGO PENGUINの「FANFARES」っていうアルバム買ったんですが、音ちっちゃ!って思って。ジャンルにもよるのかな?
まとめ
個人的にはこの構成にして、めちゃくちゃ満足しています。決してハイファイな音では無いんですが、ストリーミングやMP3では感じられなかった音の太さ、音圧を感じますし、最近はソウルやファンク、アフロビートやラテンを聴いてたりするので、こういうDJミキサーと親和性が高いのかもしれません。グルーブや音の太さを重視するならRANEのミキサーすごく良いです。
もしクラシックや、ジャズでもピアノトリオとかであれば、フォノイコライザー単体のほうがノイズも少ないし良いかもしれませんね。ハウスやテクノならALLEN&HEATHのミキサーが合うんじゃないでしょうか。
これからレコード聴こうかなと思っている方の参考になれば良いなと思いますが、どうだろ?参考になってるかな?笑 予算も抑えたければ前半で紹介したパイオニアの「PLX-500」はラインで接続できるし、本当良い音出るらしいのでおすすめです。ミキサーをプリアンプにする場合はALLEN&HEATHの「XONE:43」は8万円くらいで買えるので導入しやすいんじゃないでしょうか?
今回は前半・後半で機材(ミキサー)に焦点を絞って紹介しましたが、今後は名盤や、面白い・変わったレコードも紹介していければなと思っています。
最後にひとつ!重要な事が。KYOCERA TDの記事でも書いたんですが、
フィルムを選んだり、現像やプリントを待つ時間、仕上がりをわくわくしながら想像する行為全て含めて“写真的体験”なんだと思います。
by ID-32
レコードもまさしくそうで、LPだと片面4,5曲入っていて、続きを聞こうとしたら30分後には裏面にひっくり返さないといけませんよね。そういった手間や、円盤が汚れてたら洗浄したり、機材をワクワクしながら選んだり、知らないジャンルを掘り下げてみたり、下北のレコ屋に恐る恐る入ってみたり。そういう事全てがレコード的体験なんだと思います。
CD売っちゃった後も後悔しましたもん。このCD買った店の人スゲー怖かったなぁとか、当時付き合ってた彼女とよく聴いてたなぁとかモノを通じてフラッシュバックしますよね。なので今は初めて行くレコ屋のドアをビビリながら開ける時、20代を思い出して逆に新鮮ですもんね。笑 楽しいです。
なので近頃は本当に思います。何か商品を買うって事はその商品を手に入れる為じゃなくて、手に入れる前と、手に入れた後に起こる体験にお金を出してるんだなって。長々と機材について書いてきましたが、本当に伝えたかったのはこの事でした。
お付き合いありがとうございました…