さて、前篇の”プランター製作編 “はいかがだったでしょうか?
意外と簡単に作れるし、プラスチックのプランターと比べても全然見栄えも違いますよね。ウッドプランターも安いものもありますから、それでももちろん構わないんですが、手作りだと愛着も出てちゃんとお世話する。…かも?
今回は後編に当たる”植え付け&収穫編”です。実際植えたハーブの紹介と植え付け方法。そして寄せ植えの際にちょっと失敗してしまったことがありますので、そちらも注意点としてチェックして頂けたらなと思います。
ハーブの紹介
では入手したハーブを紹介していきたいと思います。上の写真の通り今回は6種類のハーブを購入しました。秋植えで育てられるハーブを調べて、夏の終わりにホームセンターへ探しに行ったのですが、実際に店頭に並んでいるハーブもほぼ同じラインナップでしたね。
まぁ当たり前ですが、お店側も季節の変わり目に入れ替えているので、見切り品などは除いて、特に何も考えずにお店に置いているものを購入して問題無いかと思います。
では1つ1つ見ていきましょう。
1.オレガノ
まずはオレガノです。
オレガノは私も大好きなハーブのひとつです。とにかく料理に使えるハーブ。トマト料理・肉料理に合い、香りは爽やかで、味も独特の苦味とピリッとした刺激味がします。ピザの上にバジルと一緒に乗せると香りがとても良くて美味しいです。
先日バジルペースト(ジェノバソース)を作った時も、少しバジルと混ぜてペーストにしましたが、松の実の脂分を爽やかにしてくれて美味しかったですよ!耐寒性もあるので秋植えには超オススメです。
オレガノ/Oregano
原産地 : ヨーロッパ
属性 : 多年草 / 耐寒性 / 高さ60cm
日当たり : 好む
収穫期 : 5月~10月
用途 : トマト料理 / 肉料理 / ハーブティー
薬効 : ハーブティー、料理 / 気分の高まり、頭痛、不安な気持ちを緩和
2.バジル
次に紹介するのはバジルです。
バジルはもう説明不要のハーブ代表みたいな種類ですよね。既に育てている方も多いでしょう。先程書いたようにバジルペーストにしてもいいですし、トマトとも相性が良いのでピザやトマトパスタ、香りが良いので料理の飾りにも最適です。クッキーなど焼き菓子にも入れてもいいので本当万能なハーブです。日本でいうシソみたいなものかな?何でも合うし。
繁殖力も強く暑い時期に摘芯すると、数日で脇芽がワッサーっと増えて何度も収穫できちゃいます。そして栽培していると種も取れるんですが、採取したバジルシードは水に戻すと、”チアシード“のようにトゥルトゥルのカエルの卵(表現悪くてスイマセン…)のようになって、ドリンクと混ぜて飲んだり、ヨーグルトに入れて食べたりできて栄養価も高く、ダイエットにも良いらしいですよ。
丈夫だし美味しいし、ハーブ栽培する際はマストな存在です。
バジル / Basil
原産地 : 熱帯アジア
属性 : 1年草 / 最低気温5℃ / 高さ30cm〜60cm
日当たり : 日当たりも好むが、日陰も必要
収穫期 : 5月~10月
用途 : トマト料理 / パスタ / 菓子 / 飾り
薬効 : 料理 / 疲労を緩和
3.タイム
次はタイム(コモン・タイム)です。
これも有名なハーブですよね。見た目オレガノに似ているんですが、葉っぱが小さくて茎も細いです。こちらも香りのハーブで、清涼感があるので肉料理にも合いますし、瓶に入れたオリーブオイルに茎のままのフレッシュなタイムを入れて2週間ほど日に当たる暖かいところで熟成させると、風味の付いたハーブオイルが出来ます。それと、葉が小さいので収穫後茎を除いてドライにすれば乾きやすく保存も効くので、パラパラっと料理の香り付けとしても使えます。
それと香りの効果をハーブバスやフットバスとして楽しむことも出来ます。ドライにして刻んだタイム、スペアミント、カモミールをネットに入れて湯船に浮かべたり、お湯を張った洗面器にフレッシュなタイム入れてフットバスにしても血行が良くなり、香りのリラックス効果もあるようです。
タイム / Tyme
原産地 : 北ヨーロッパ、地中海沿岸
属性 : 多年草 / 耐寒性 / 高さ15cm〜30cm
日当たり : 好む
収穫期 : 年中
用途 : 肉料理 / スープ / 飾り / ハーブバス
薬効 : 料理、ハーブバス / 活力を与える、免疫力を高める
4.ディル
次のハーブはディルです。
ディルはなんと言っても”魚のハーブ“と言われるくらい魚との相性が良く、味はパセリのような風味とほのかな甘味がします。鮭のムニエル、スモークサーモンに添えつけて食べるのが一般的で、魚の臭みを消してくれます。
他にはスープに入れても美味しくて、フレッシュディルをお湯にくぐらせるとフワッと緑が濃くなり、見た目も華やかになります。ちなみにカルディで売っている”ディルスープ“というパウダーのスープがメチャクチャ美味しくて好きです。笑その他にもピクルスにも使われていたりと、幅広い料理に合う万能ハーブです。
ディル / Dill
原産地 : 地中海沿岸、インド
属性 : 1年草 / 耐寒性 / 高さ75cm〜120cm
日当たり : 好む
収穫期 : 5月~10月
用途 : 魚料理 / スープ
薬効 : 料理 / 胃腸のはたらきを助ける
5.セージ
次はセージです。
セージはディルと対象的にとてもお肉に合うハーブです。ソーセージもsau(雌豚)とセージ(sage)を組み合わせた造語と言われています。(ただ諸説あって、最古の文献には山羊が主材料と書いてあるらしく、この説は後世に作られた説のようです。)
豚肉にも合いますが、鶏肉とも相性バッチリで、フレッシュなセージとタイムとバジルを刻んだものを鶏肉の皮と身の間に詰めてオーブンでグリルすると、それはまぁーー美味!(お腹へってきたな…笑)
またハーブティーにもよく使われ、その抗菌作用で風邪予防や、喉の痛みを和らげる作用もあり、ヨーロッパでは”不老長寿のハーブ“と言われているくらい人々の間で大切にされているハーブです。
セージ / Sage
原産地 : 北アフリカ、地中海沿岸
属性 : 多年草 / 耐寒性 / 高さ60cm〜80cm
日当たり : 好む
収穫期 : 年中
用途 : 肉料理 / ハーブティー
薬効 : 料理、ハーブティー / 抗菌作用、活力を与える
6.ローズマリー
最後紹介するのはローズマリーです。
ローズマリーも代表的なハーブのひとつですよね。育てている方も多いのではないでしょうか?歩いているとよく軒先やお庭で見かけたりします。
ローズマリーも香りが強く、鶏肉や豚肉の香り付けに一緒にグリルしたり、ジャーマンポテトなどじゃがいもを使った料理とも相性が良いです。また瓶にビネガーと一緒に漬けておくだけで、香りが付いてハーブビネガーとして料理に使えます。
その香り成分でポプリなど家の芳香剤としても使われ、枕の下にフレッシュなローズマリーを敷いて眠ると気持ちがリラックスし、安眠効果もあるようです。
ローズマリー / Rosemary
原産地 : 地中海沿岸
属性 : 多年草 / 耐寒性 / 高さ60cm〜120cm
日当たり : 好む
収穫期 : 年中
用途 : 肉料理 / ハーブバス、フットバス / ポプリ
薬効 : 芳香剤、ハーブバス / リラックス効果、気分の落ち込みを緩和する
実際に植えてみた
さぁ上記で紹介したハーブを実際にプランターに植えていきたいと思います。植えるに当たって必要なものがもちろん土です。
よくホームセンターに「ハーブ用の土」など売っていますが、正直何でも良いと思います。なので野菜用の適当な培養土を買ってみました。”かる〜い”って書いてある通りこの容量なのに結構軽いです。おそらくピートモスやバーミキュライトなどが主体なんでしょうかね。それと水はけと通気性を高めるために鉢底石(軽石)ですね。この2点を買ってきました。これにお好みで腐葉土や赤玉なんかを足したりして、保水性や保肥性を高めたり、植えるハーブの種類や自宅の環境に応じて配合を決めましょう。
まずはプランターの底に全体の1/4〜1/3くらいの割合で鉢底石を敷き詰めます。そこへ先程の培養土を鉢底石が隠れる程度に薄く敷いていきます。
そしてその上からいつもお世話になっている「マグアンプK」をまんべんなく撒きます。マグアンプは本当万能肥料なので、私はサボでも多肉でもなんでもとりあえず入れちゃいます。
マグアンプを撒いたらまた薄く土を被せます。この時注意なのが、マグアンプと苗の根を直接触れないようにして下さい。マグアンプは植物の根の先から出る酸に反応し、溶け出す肥料なので、これが植え付け直後に根に触れてしまうと肥料ヤケを起こしてしまいます。なのでマグアンプを撒いたらその上に土を被せ、その上に苗を置くようにしましょう。
苗を実際にプランターに配置してみて、寄せ植えのレイアウトを考えいきましょう。…といいながら全然適当に決めちゃいました。笑
ただ一点気をつけたのが、ディルは茎も細いし葉もひょろっとしてて結構簡単に倒れちゃいます。(植え付け前で水が不足していたという事もあります)なので両脇に木立性のものや、割と茎がしっかりしているものを植えて、風が吹いた時に、ディルが倒れないよう風よけになってもらいました。水を与えた土に倒れるとすぐ腐っちゃいますからね。
後はどっちでも良いと思うんですが、茎が長く伸びそうなオレガノを端に移動させたくらいですかね。
レイアウトが決まったら苗が埋まるまで土を被せていきます。種類によっては根張りがよくなるように苗の土を軽く落として根をほぐしたほうが良いものもありまが、この時はもうただ苗を置いて土を被せただけにしました。
これで植え付け完了しましたー。この後土に水を馴染ませるためプランターから溢れるまで水をあげました。
うんうん。プランター底に取り付けたパイプからしっかりと水が流れています。溜まっている様子もないし、排水も問題なさそうです。
最後はハーブの名前を書いた札を立てて完成です!どうですか?ただのプラスチックのプランターに植えるより見た目も良いですよね。この木材の無垢の感じも雰囲気あるし、いやー我ながら良く出来たと思います。
実際はプランター製作から植え付けまで少し間は空きましたが、延べ2日程でしょうか。しっかり計画して材料と苗を用意しておけば土日の週末だけで完成させられるはずです。
植えたのが8月の末頃でしたが、日差しも強くまだまだ夏が続いている感じでしたね。そんな中ハーブたちはその後もグングンと成長を続けてくれました。
収穫しました
植え付けてからその後摘心したり、少し切って料理に使ったりしていましたが、10月の頭に結構な量を収穫しました。
豊作です!こんなにドッサリ穫れましたよ。青々としてて綺麗ですねぇ〜。
収穫したハーブは、またバジルソースを作ったり、ハーブチキンにして食べたり、軽く湯煎してペースト状にしたバターに刻んだディルを加えて”ディルバター”を作ったり、セージはドライにしてハーブティーにしたり、タイムやオレガノはジップロックに入れて冷凍保存にしました。
収穫した後も脇芽を増やしてまだまだ成長しています。バジルやディルは1年草なので次のシーズンに種を蒔くか、また苗を植えるかしなければなりませんが、他のものは年中収穫できるし、もっと株を大きくできそうです。
まとめ
前後編でお送りしたハーブ栽培はいかがでしたでしょうか?
普段観賞用の植物を栽培していながら、食べられる植物を本格的に育てたのは初めての経験で、正直育てたのか…?と疑問になってしまう程特別な事は特にしていません。乾いたら水をやって、虫がつかないように防虫剤(ミント水)をやる程度のことしかしていませんが、しっかりスクスクと育ってくれて良かったです。
しかもこんなに美味しくて、体に良いなんて言うことないです。さらには省スペースで育てられるので、マンションのベランダでも簡単に育てられると思いますよ。本当にオススメです。
実はこれに気を良くし、今では別のプランターにレモンバームとセロリ、ミックスリーフにブロッコリースプラウトと、食べられるものをメチャ追加しちゃってます。笑 レモンバームはフレッシュのハーブティーにすると本当に香りも良く美味しいのでこれまたおすすめです。
ただ、皆さんお気づきでしょうか?…
6種類あったハーブなのに収穫されていないものがあります。そうそれはローズマリーです。これはもう本当に初歩的なミスだったんですが、枯らしてしまいました…。
寄せ植えの際に気をつけなければならないのは、
水を好むか、乾燥を好むか
は前提として調べておいて下さい。まあ大体のハーブで茎が柔らかいものは普通に水をあげて良いんですが、ローズマリーなど木立性のものは乾燥を好みます。野菜用の土のように水持ちが良い土だとみるみる葉が枯れ込んでいって、やがて株自体が枯れてしまいます。
なので、ローズマリーは買ってきて根をほぐすこと無くそのまま水はけの良い土に植えて下さい。あとは耐寒性のあるハーブなので、今年の酷暑で株が植え付けに対応できなかったのかもしれません。夏の後なら10月〜11月の涼しくなってから植えるほうが安全だと思います。
寄せ植えは省スペースで育てられるのが利点なんですが、色んな種類を同じ土、同じ環境で育てなければならず、言ったら運命共同体です。同じ鉢に植わっているんで「この株には水を少なく、この株には光と風は強く当てる。」みたいなことは中々出来ませんよね。そこまで厳密にならなくても良いんですけど、水好きか、乾燥が好きかくらいは最低でも調べておいて下さい。
私も恥ずかしい限りですが、こんな当たり前なことも考えずに植えてしまいました。普段サボや塊根・多肉でも1株ごと、1鉢ごとに育てていて、寄せ植えなどやらないもんですから、全く気にもしていいませんでした。反省です…。
とはいえ他のハーブはしっかり育ってくれたし、色々な料理や飲み物、調味料になってくれるハーブは本当に貴重な存在です。今では生活に無くてはならないものになりつつあります。皆さんも興味があれば、まずハーブを育てることを楽しみ、その次に収穫したハーブを料理などで楽しむ。そうすることで健康のことや生活のリズムなど、普段の生活を見つめ直すきっかけになってくれたら嬉しいです。
これからも”ハーバルライフ“のへ道はまだまだ続いていきますよー。
追記
先日ハーブチキンを実際作ってみました!こいつぁーマジ美味いです。作り方も下に載せておきます。メチャ簡単なので是非やってみて下さい。
他にもローズマリーなど、使うハーブで味も変わってくると思うのでお好みのハーブでどうぞ。
材料 (2人分)
- 皮付き鶏肉(ムネでもモモでもお好みで) ・・・ 2枚
- バジルの葉 ・・・ 5~6枚
- セージの葉 ・・・ 3~4枚
- オレガノ ・・・ 少量
- フェンネルシード・・・ 小さじ1杯
- オリーブオイル ・・・ 大さじ2杯
- にんにく ・・・ 2片
- 塩・胡椒・・・ 少々
作り方
- 鶏肉に塩・胡椒をふって下味を付ける。
- バジル、セージ、オレガノを細かく刻み、フェンネルシードを加えてオリーブオイルと混ぜる。
- 鶏肉の皮を1箇所ちょっとだけ剥がし、そこから指を入れ外側が剥がれないように皮と身の間に空洞(ポケット)を作る。
- そこへ先程の刻んだハーブを中に詰め込む。
- 皮面をパリッと焼きたいので皮面にオリーブオイルを薄く塗る。
- 薄くスライスしたにんにくを表面にペタペタ貼り付ける。
- それを200℃のオーブンで20分焼く。
- 焼き上がったらお好みでさらに塩・胡椒をふって完成