暑いですねぇ。つい先日今年はじめて家の冷房をONにしました。熱帯生まれの植物たちにはいい季節なんでしょうけど人間にとってはなかなか厳しい季節がやってきましたよ。北国育ちの私にとっては一番辛い時期です。(冬になったらなったで、寒いの苦手ってほざいているでしょうけど)
ところで先日のポストで一軒家に引っ越したと書きましたが、新たな生活していてあーあれが無いな。これが必要だななんて思うときがありますが、二人なのでお互いのものを持ち寄ればほとんどの物は揃ってしまいます。インテリアも前の家のものを使っていたりするんですが、ふとこのリビングに足りないというか、何か欲しいなぁと思う瞬間があって、なんだろうと考えていたら
そうだ。キャンドルだ。
なぜそう思ったかはわかりませんけど、リビングのテーブルの上に大きめの背の高いキャンドルがあったら雰囲気が良くなるなと、思ったんですよね。
そう思ったらいても立ってもいられず早速ネットでキャンドルの作り方を調べていました。(買わないんかい)
キャンドルについて色々と調べてみた
一応売っているものも調べてみたんですが、キャンドルって実は買うと何気にお高いですよね。ブランドものや作家ものだったら尚更です。シャレオツな人の家に必ず置いてる(自分調べ)キャンドルといえば「diptyque」のキャンドルですよね。
そうそう!このロゴ?というかパッケージよく見ますよ。定価はなんと¥7,700…。ヒエェー!有名なフレグランスキャンドルなので特別な良い匂いのオイル?が配合されているんでしょうけど、ホイホイ買える値段ではありませんよね。
そんな高いのムリムリーと思って、どんなキャンドルがいいかなーと調べていたら、自分がイメージしているキャンドルは「グラデーションキャンドル」と呼ばれるやつらしいです。
「よーし。じゃあグラデーションキャンドル作るぞッ!」…と作り始めるその前に、そもそもの話なんですが、キャンドルの原料ってなんだろうと思って調べてみたらワックスと呼ばれる“蝋”のようです。そしてそのワックスでも色々種類があってそれぞれに特徴があるようですね。
そして手作りキャンドルで使うワックスの中で一番ポピュラーなものが「パラフィンワックス」です。石油系のワックスで、売られているキャンドルの殆どがパラフィンワックスでできていると言っても過言ではないでしょう。
あと天然のワックスで有名なのが「蜜蝋」ですよね。家具の仕上げに使っていたり、最近だとお絵かきに使うクレヨンも子供が間違って口にしても大丈夫なように蜜蝋で作られているものもあります。
なるほどなるほど。要するにキャンドルは、ワックスと呼ばれる蝋を溶かして成形して、中心に“芯”と呼ばれる火をつける紐を通して作られるものだということは理解しました。
ではでは基本な事はわかったので実際作っていきたいと思います。
実際に作ってみた
ワックス買ってきて、溶かして固めて出来上がり!..とはいかず、私の作りたいのはグラデーションキャンドルです。どうやって作るのかと調べていたら、下のサイトが見つかりました。
調べると色々と作り方があるようで、例えば「ホイッピング」や、「カラーチップ」を使った方法があるようです。今回は「カラーチップ」を使った作り方でやってみたいと思います。
作り方ですが、どうやら色を付けたワックスの細かい”チップ”をまずは作って、それをパラパラと加えながら無色のパラフィンで固めていくと色の境目がグラデーションのようになるみたいです。
そして作り始める前に結構大事なのが、こういうDIYする時には簡単でいいので設計図や企画書みたいなものを作る事をおススメします。
まず自分がどういう物を作りたいのか、頭の中を整理する事になるんですよね。意外とぼんやりこういうの作りたいなと思って作り始めても、ディティールが決まっていなくて、ここからどうしよう…ってなってしまう事や、あれが足りない!と材料や道具が不足している事に作っている途中で気づいてしまう事も多々あります。
そういった事態を防ぐ事にもなるし、イラスト付きでいい感じのを書いておくと後々に「こんなの作ったなぁ」って記録にもなります。
ということでサラサラっと簡単な設計書を書いてみました。そこでうーん…と悩んだのが配色です。せっかくグラデーションのキャンドルを作るんだから配色は超重要じゃないですか。
そこで考えた結果参考にしたのが、私の好きな工芸作品でもある人間国宝の陶芸家「三代 徳田八十吉」の器です。
グラデーションかぁって考えた時に頭にパッと浮かんだのがこの作品なんですよね。黄、緑、青、ほぼ黒に近い紺のグラデーションが美しいです。なんか自分で凄いハードルを上げてしまいましたが、(笑) なんとか雰囲気だけでも近づけられるように頑張ります。
準備するもの
- パラフィンワックス
- 芯
- クレヨン
- 紙管 (紙コップなど型にするもの)
- 湯せん用鍋
- 木べらなどかき混ぜるもの
- キッチンスケール
- 割り箸
パラフィンワックスは東急ハンズで買いました。500gで¥800くらいだったように思います。これを2つ1kg買いました。最初多いかなー?って思ってましたけど、パラフィンは想像以上に使うので1kg買っておいて良かったです。
Amazon安いですね!自分も今度ここから買おう。
着色するためのクレヨンです。実はキャンドル専用の染料や顔料があって、そちらの方が発色は良いみたいですね。ただ最初なんでクレヨン使いましょう。全然クレヨンでも綺麗な色出ます。
ご存知の方も多いと思いますが、実はクレヨンも原料がワックスでできていて、熱を加えると溶けるんです。なのでパラフィンに混ぜた時に一緒に溶けるので顔料として使用できるわけです。
型になる紙管です。これは家にたまたまあったものなんですが、ハンズでも売ってました。売ってる紙管だとかなりの紙の厚さで丈夫なものがあるんですが、最後ワックスが固まって取り出す時に紙管を切って取り出すので、厚いものだと相当剥がしずらいと思います。カッターで切れそうな厚さのものを選びましょう。
そして芯ですが、私はパラフィン買ったらにおまけで付いてきたきたものを使いました。座金も付いているのでこのまま使えます。
Amazonでも座金付きの芯がまとまった数で売っているようです。
カラーチップ作り
先程の作り方にもあるようにグラデーションキャンドルはまずカラーチップ(着色したワックスを固めて細かく砕いたもの)を作るところから始まります。
チップにするために着色したパラフィンの板を作るんですが、溶かしたパラフィンを流し込むトレーをクッキングシートを使って作ります。四辺を折り、角をホチキスでとめて箱型にします。
そして設計図に記載した通りの分量をスケールで測って各色分用意します。
私は白(無色)10%、黄色10%、緑10%、紺70%の配分なので総量に対してその割合のパラフィンを取り分けておきます。
ここで注意してもらいたいのが、さっきもチラッと書いたとおりグラデーションキャンドルを作る際にカラーチップと無色のパラフィンを交互に入れていくんですが、無色のパラフィンを予想以上に使います。最初だと分量がよくわからないと思いますが、総量に対して1/3程度余分に用意しておくのが良さそうです。
ではパラフィンを溶かしていきます。パラフィンを鍋に入れて”湯煎”で溶かしていきます。パッケージにも書いてあるとおり融点が58℃なんですが、直火で急激に温度が高くなると発火する恐れがあるので、溶かす時は必ず湯煎で溶かすようにしてください。
おおお溶けてきた!溶けると水のように完全な透明です。
パラフィンがすべて溶けたら着色の為のクレヨンを削って入れていきます。ガバっと入れると色の調整ができませんからカッターで細かく削って様子を見ながら加えていってください。クレヨンがしっかり溶けて馴染むとパラフィンに色が付きます。
着色したパラフィンを先程作ったクッキングシートのトレーにドバーっと流し込み、これを使う色の数だけ作っておきます。これで固まればカラーワックスの板ができあがり。冷やせば数時間で固まりますが、私は翌日まで放置しておきました。
ここまで作ったら安倍川餅で一服。
翌日・・・おお固まってますね。意外と良い色出てる!若干緑が鮮やか過ぎたかなぁ?もう少し暗い緑でも良かったかもしれません。
この板をシートから剥がしてボキボキ折って細かくしていきます。そうするとやっとカラーチップの出来上がりです。白は無色パラフィンなのでチップは作っていません。
それでは型にワックスを入れていきたいと思いますが、その前に大事な“芯”をセットします。型の底の中心に両面テープで座金を貼り付けます。それをまっすぐ立たせて、型の縁に渡した割り箸に芯が動かないようにテープで貼り付けておきます。これがピンと張ってないとキャンドルの中で芯がグネグネ曲がってしまいますから要注意。
型に流し込む工程は必死&時間との勝負なんで写真なんて撮ってる場合ではありません。(笑)そのかわり図を描いたんですが、わかりますかね?ここでポイントはカラーチップと無色パラフィンを交互に入れていくことです。チップだけをザバーっと入れてその後パラフィンを流し込んでも、重なった隙間にパラフィンが入り込まず穴になってしまう可能性があります。
なのでまず最初に土台としてパラフィンだけをある程度流し込み、そこへチップをひとつまみ入れ、またパラフィンを流し込んで、またチップをという感じで交互に入れていってください。
そうしてすべての色のカラーチップを入れ終わりました。先述したように無色パラフィンを結構使いましたね。総量500gで考えていたんですが、結局追加で250g程使ってしまいました。それではこのまま固まるまで一晩(半日程)置いておきます。
翌日・・・お!固まっているようですね!紙管にカッターで切れ目を入れて(力入れすぎてキャンドルまで切らないように注意…)型から剥がしていきます。
ついに完成
ババーン!ついに完成です〜。
うんうん!いい!ちょっとチップが大きかったようでところどころ外までチップがはみ出してますが、それはそれでなんか良いですね。そして一番上の白なんですが、パラフィンが少し足りなくて殆ど無いに等しいですね…。まぁ最初なんでこんなもんでしょう。
時期的にアジサイが咲いていたので並べてみましたが、きつい色のキャンドルじゃなく、淡いグラデーションなので部屋の雰囲気や植物たちとも合っているんじゃないかと個人的には思っています。いやー今回も大満足なDIYでした。
…と思いきや、あれ?もうひとつ。
こちらは友人のプレゼント用に作りました〜。濃いめの紫で作ったんですが、良いですよね!あげるのもったいなくなってきたな….。
そして、こちらは最近流行り(?)のボタニカルキャンドルです。植物好きならこれでしょうということで作ってみました。片方は同じく友人へのプレゼントに。
中に入れたのはドライフラワーたちで、庭で摘んだユーカリ、シロタエギク、アジサイなどです。ちょっとドライたちが見えづらいですが…まぁ良しとしましょう。エッセンシャルオイルも入れたので置いているだけでもいい匂いです。
ボタニカルキャンドルは作り方が違うんですが….今度機会があったら作り方を紹介しますね。(面倒くさがる)
まとめ
今回は久々に植物とは関係のない(若干最後に出てきましたが)「グラデーションキャンドル」の作り方でしたが、いかがだったでしょうか?
なんか女子力高めな記事になってしまいましたが、一個大きめのキャンドルあると部屋の雰囲気が変わるんですよね。それは絵やポスター飾ったり、お花飾ったりも同じなんですけど、少しの違いで部屋の雰囲気が変わって新鮮な気持ちになります。
正直買ってくるのが手っ取り早いんですけど、部屋のテイストに合うものを探すのも一苦労ですし、買うと意外と高かったりします。家具なんかは難しいですけど(と、言いながら自分は家具もDIYしてますけどね…)、小物なんかは作ると楽しいし、オリジナルのものなので最初から部屋の雰囲気に合わせられるのでオススメです。
できたものは大満足なのですが、何点か反省点をあげるとすれば、固まったのをみるとすべて細かい気泡があるんですよね。それによって透明度が落ちて特にボタニカルキャンドルは、ドライフラワーたちがほとんどボヤーっとしか見えない状態になってしまいました。おそらく紙の型を使ったので紙の層に含まれていた空気が抜けて、そのせいで気泡が出てきてしまったんだと考えられます。なので今度はアクリルやプラスチックなどの素材の型を使ってみようかと考えています。
それと、出来上がったものを上からみると全て中心が窪んでしまっているんですよね。これは熱して膨張したワックスが冷えて固まる段階で収縮して、それが重さで中心に向かって落ち込んでしまう為にこのようになってしまうんですが、固まる段階で更にワックスを上から少し流し込むと上がフラットになります。もしくは一番落ち込んだところまで削ってしまうこともできますが、やっぱりもったいないですよね。なので自分で使う用なら全然気になりませんが、次回プレゼント用で作るならそのあたりも気を付けたいところです。
それと一応火を付けた写真も撮ったんですが、正直雰囲気がいまいち伝わらなかったので無しにしちゃいました…。みなさんは実際自分で作って確かめてみてください。笑
自分にとって「ものづくり」は植物栽培と同じくライフワークなので、今後もこのような“TOKYO PENTHOUSE的ものづくり”の記事も定期的にアップしていきたいと思いますので、今後共宜しくお願いします。