いきなりですが、盆栽の聖地といったら大宮の盆栽村だと思いますが、東京で盆栽の中心地といったら「上野グリーンクラブ」だと思います。
盆栽好きな方には有名だと思いますが、一般の植物好きには知る人ぞ知る存在で、なぜ中心地かといいますと、「日本盆栽協同組合」の本部があるからなんですね。その前にまず日本盆栽協同組合という組織があることも知りませんでした。笑
実はそこへ先日行って参りました。以前から存在は知っていたんですが、多肉・蘭メインの自分にとって盆栽は自分のテリトリー外ということもあって、足を向けるほどではありませんでした。なぜ今回足を運んだかというと、たまたま上野グリーンクラブのブログを見ていたら、「東洋蘭銘品展」という東洋蘭の展示即売会と、「第9回中国杭州寒蘭展示大会」という中国の寒蘭の展示をやっているようで、ほほーぅとそれが気になったので行ってみようかなーと思った次第です。
そしてもう一つが上野グリーンクラブ常設売店という売店があり、一年を通して盆栽や四季折々の樹木の苗、その他にも山野草や蘭なども販売しているそうなのでそちらも覗いてみたいというのがありました。(正直こっちがメイン)
ただその情報に気付いたのがイベント最終日前日で、しかも最終日いつもより1時間早く閉館するというのを気づかずに余裕ぶっこいていたら、ギリになってしまい慌てて向かいました。
上野グリーンクラブ
緑に囲まれたイベントスペース。
上野は緑と芸術が調和した街として古くから様々な文化を育んで参りました。「上野グリーンクラブ」は平成4年に開館。盆栽展、山野草展、東洋蘭展、おもと展、雪割草展、 水石展などの展示会を数多く開催しております。
引用: 上野グリーンクラブ
上野グリーンクラブ (株)東京盆栽倶楽部
〒110-0007 東京都台東区上野公園3-42
tel 03-3821-5193 fax03-5685-6333
E-mail grincrabu@triton.ocn.ne.jp
営業時間 9時から17時(不定休)
実際に行ってみた
「上野」と頭にありますが、最寄り駅は千代田線の「根津駅」になります。駅からは徒歩でおよそ3~4分です。上野駅からだと15分くらい掛かっちゃいますので注意。
根津駅から「不忍池」方面へ向かいます。駅にも”不忍池こっち”的な案内出てますのでその通り進んでください。すぐそばに隣接しているが不忍池、そして「上野動物園池之端門」があります。なのでベビーカーを押した家族連れや外国人観光客がたくさんいましたね。
そして16時閉館の15分前くらいに到着して、ギリギリ間に合ったーと思って建物の中を覗いてみたら、
何にも無い。
あれ?建物間違ったかな?と一瞬目を疑う。しかもさっきまでやってただろうなって感じで机が並んでて、上に掛けてあるクロスもグシャグシャーって乱雑に放置してあり、
どうした? 強盗でも入った?
みたいな様相でした。笑 16時終了で15分前には完全撤去されてるってどうなのよ!とは思いましたが、まぁまぁ逆にこっちがおまけみたいなもんだと思い、裏手にある売店へ向かいました。
気を取り直して売店へ
このような感じで沢山の盆栽やら苗が並んでいました。システムとしては奥の建物の中にレジとおばちゃんがいて、買い物カゴが置いてあるのでそれに好きなものを入れて、奥のレジでお会計します。そうしたら手際よく鉢を新聞紙でササっと包んでビニール袋に入れてくれます。
もちろん沢山の鉢が並んでいるんですが、第一印象が「あれ、結構安くない?」でした。盆栽の価値は全くわからないんですが、なんでこう思うかというと、以前浅草に住んでいた時に「お富士さんの植木市」が近くで開催されていたので毎年覗いていたんです。
その植木市の品揃えがまさしくこの売店と同じような感じだったので、植木市では「盆栽って結構良いお値段するんだなぁ」なんて思ってたんですが、ここでは植木市に比べて2~3割ほど安い印象でした。あくまでなんとなくの実感としてです。もちろん詳しくないので品種の違いなどあるんでしょうけどね。
そしてこの売店は上野グリーンクラブが仕入れて販売しているわけではなく、どうやら様々な盆栽、山野草のお店が出店していて、棚やスペースごとにお店が違うらしいです。もしかしたら植木市も殆どが同じ出店者なのかもしれませんね。
このような感じでズラーッと並んでいます。数万円のものから数百円のものまでまさにピンキリ。
あれ?桜かな?と思ったらどうやら梅のようですね。本当に綺麗。
松や野バラの苗が沢山ありました。ここらへんは実生苗なんでしょうか?
竹葉セッコク。デンドロですね。ネットで調べましたけど相当巨大化するようですね…。
これも古典園芸の代表的な種「万年青(おもと)」。
そして日本の園芸品種の他に、写真のようなハオルチアや蘇鉄キリンなど多肉もチラホラありました。
買ってきたものを紹介
それではいくつか買ってきたので紹介したいと思います。
まずは日本にも自生する「マメヅタラン」です。正式名称は「Bulbophyllum drymoglossum Maxim」バルボフィラムなんですね。その名の通りマメヅタににているからこの名前が付いたのですが、実際ここに本物のマメヅタも売っていたんですが激似でした。小さい黄色い花を咲かせるようです。
こちらは「ムギラン」です。こちらも日本に自生する着生ランで、正式には「Bulbophyllum inconspicuum」と言います。こちらもバルボですね。軽石に着生してるのかな?と思ったんですが、窪みに水苔と一緒にスポッと入ってるだけのようです。やっぱり小型の着生ランはカワイイですねぇ。
(山野草)ミヤマムギラン(深山麦蘭)コルク付(1個)【HLS_DU】
ここでなんとアルブカです。アルブカ・ナマクエンシスですね。先ほどのハオルチアもそうですけど、お店によってこういう観葉植物系のものも取り扱っているようです。たまに見つかるので盆栽好き以外の方でもチェックしてると面白いものが見つかるかもしれません。これも国内実生苗でしょうか?クルクルの葉っぱがキャワッですね。
さすがにここで盆栽買わないといかんだろうということで小さい「長寿梅」を買ってきました。鉢もカワイイですよね。全然知らなかったんですが、梅だと思って買ったら長寿梅は「ボケ」のようです。盆栽では超ポピュラーな品種のようですね。室内で盆栽は難しいらしいんですが、置ける場所がないのでちょっと室内で様子見ようと思います。小さいくせになんかすでに貫禄を感じますね。
まとめ
この日は夕方に行ったんですが、売店には品定めをしている人が何人かいて、バリバリのベテランって感じの年配の方や若い女性や男性の方など幅広い年齢の方々がいました。
上野は若い頃働いていたり、浅草にも住んでいたので割りと馴染みのある場所なんですが、不忍通りからほんのちょっと入ったところにこのような場所があったなんて今まで気づきませんでした。
園芸の世界も、ものすごい数の品種がありますし、派閥もありますよね。ただ植物というくくりでは同じなので前々から興味はありました。昔にテレビなどで盆栽の高いのだと1鉢数千万円するものもあるというのを観て、疑問しかなかったんですが、自分で植物育てるようになってからは、そのある種”ヤバさ“みたいなものも気づけました。
盆栽って自然と真正面からぶつかる時もあれば、寄り添って流れに身を任せる時もあるし、気の遠くなるような時間が必要で、必ずしも自分の思い描いた姿になるとは限らない一発勝負なところもありますよね。値段はいくらか?という価値は私にはわかりませんが、とても尊いものなんだということは理解できます。
今はあまり手を広げすぎると痛い目を見るのでここで留めておきますが、いつか盆栽にもチャレンジしてみたいなと思いました。そして機会があれば大宮の盆栽村・盆栽美術館にも行ってみたいと思います。
とりあえず上野グリーンクラブ常設売店は安いし、色々な種類の植物が揃っているのでオススメですよー。
(山野草)ミヤマムギラン(深山麦蘭)コルク付(1個)【HLS_DU】
追記
上野グリーンクラブで行われたイベント「第1回錦葉珍品即売会」のレポート記事です。こちらも是非ご覧下さい。