皆様、暑い夏をいかがお過ごしですか?私は諸事情によりお盆前に地元へ帰省をしまして、お盆休みには特にやることもなくなってしまったので家で植え替えようと思っていたのにずーっと放置されていた植物の植え替えやら、(今度記事にしようと思っている) DIYで木製のプランターを作り、そこへ色々なハーブを植えたのですが、そのプランター作りなんかを炎天下の中作業しておりました。
お盆過ぎに一旦涼しくなって、あらら、もう秋になっちゃうの?なんて思っていたら、またこの暑さ。「まだまだ夏は終わんないよ!」ってどこからか聞こえてきそうです。
そんな夏の日、タイトルにある通り今年も植物の種を蒔きました。そうです。“実生”というやつですね。
以前このブログでも記事にしましたが、実生の記事はこのブログのPV数ランキングで常に上位で、今では多くの人に読まれているコンテンツになっています。
有り難いことに”植物 実生”とGoogleで検索すると上の記事が上位に表示されています。なので6月を過ぎたあたりからPV数が伸び始めたので、例えば多肉やサボテン栽培を始めたばかりで実生に興味のある方が「実生って実際どうやるんだろう…?」と調べてこの記事に辿り着き、読んで頂いているのでしょう。
種を入手する
さてさてその実生ですが、時期的には5~6月くらいに行うのが一般的なんですけど、今年は少し遅めの7月末行いました。5月6月はまぁとーーーっても慌ただしい時期でしたので全くやる余裕などありませんでした。なので今年はどうしようかなぁと悩んでいたんですが、どうしても我慢できず数は抑えめでサボテンとアロエの種を数種類入手。その肝心の種の入手先ですが、私はいつもネットオークションで入手しています。種を入手する方法は大きく分けて2つです。
- 種を園芸店やネットで購入する
- 自家採種する
簡単に言うと「買うか採るか」ということですね。
購入する場合は私のようにネットオークションなどで購入したり、植物の他に種を販売している園芸店や、趣味家の方のサイトでも売っていたりします。さらに珍しいものや大量に欲しい場合は、海外のナーセリーから直接輸入している方もいらっしゃいますね。オークションに出品されている種の多くも海外から輸入したものを小分けにして売っているようです。
そして自家採種したものはなんといってもフレッシュですよね。自分が育てた株から採取するんですからそりゃあ新鮮ですよ。輸入した種は長期保存された種もあって、古いと発芽率も低くなってしまいます。ネットオークションでも沢山の趣味家の方々が自家採種した種を出品しています。
新鮮な種のほうが発芽率は良いわけですから、できるだけ今年採れた種を選んで購入しました。ただサボテンは昔から多くの方が栽培していますから自家採種の種が沢山出品されているんですが、アロエを受粉させて種を採っている趣味家さんは少ないのか、自家採種の種は殆ど見かけませんでしたね。まぁ私がマダガスカル系のアロエを探していたっていうのもあるんでしょうけど…。なのでアロエはおそらく輸入種子だと思うものを数種類購入しました。
ちなみに、タイトルに”サボテン・アロエ編”と書いていますが、特に他の編があるわけじゃありませんのであしからず。笑
購入した種の種類
それでは実際購入した種を見てみましょう。サボテン3種類、アロエ3種類の合計6種類の種を購入しました。ちなみになぜサボテンとアロエにしたかというと、単純に今まではパキポやアデニウムなどの塊根植物やアガベなどをメインに実生してきましたが、サボテンとアロエは実生したことが無かったというのと、先日ディコトマと帝冠を購入してからはサボテン・アロエ熱が急上昇中でして…。てへへ。
まずはサボテンから、ランポー(アストロフィツム)です。ランポーと言ってもヘキラン錦との交配のようで、こちらは趣味家さんが出品されているのを購入しました。ランポーは枯らす方が難しいと言われるくらい栽培も簡単だし丈夫なので、まずは初めてのサボテン実生はこれだろうということで選びました。
お次はマミラリア白星です。ランポーと同じ方から購入したのですが、こちらは同じ白星同士ですが花色が違うものを掛け合わせているようですね。”パンチ”っていうのはパンチパーマのことで棘がモッコモコになる種類のことらしいです。マミラリアも育てやすい品種ですし、モコモコの見た目も可愛いので育てるのが楽しみです。
そしてサボテン最後はメロカクタス 巻雲(けんうん)です。メロカクタスの最大の特徴はある程度生長すると現れる花座と呼ばれる器官で、花を付ける為の土台のようなものです。見た目は赤くてモフモフした毛皮のロシア帽のような姿をしています。初めて植物園で発達した花座を見た時は度肝を抜かれましたね。こんなサボテンもいるんだなぁと強烈に印象に残っていたので、いつか育ててみたいと思っていた品種です。実生から花座を付けるまでに生長するのは気が遠くなるほど先の話ですが、是非そこまで育ててみたいですね。
次はアロエで、アロエ・ラウヒーです。ラウヒーはマダガスカル生まれで葉の模様が綺麗なアロエです。ラウヒーはアロエ交配種の親になることが多くて、白い色が特徴の”スノーフレーク”などラウヒー系の交配種が沢山存在しています。
こちらはアロエ・デウェティです。正直あまり情報が無いんですが、どうやら南アフリカが原産地のようで、写真を見るとラウヒーと同じように葉模様が綺麗なアロエです。
最後はアロエ・ブランドライエンシスです。こちらのアロエは縦に筋のように入った模様と、葉の際にある赤い棘がカッコイイです。ただ色々と写真を見てみると、”スプラフォリアータ”のようないわゆるブックアロエ(葉が左右に重なっていき本のような形をしているアロエ)のような姿のものもあれば普通に旋回して葉が開いているものもありますし、色も緑のものや赤いものもあります。色々な栽培条件で姿形が変わっていくのでしょうか?どんな成長をするか楽しみです。ちなみにアロエは全て同じ出品者の方から購入しました。
実際蒔いてみた
ではでは早速播種(種まき)していきます。今回もやり方、準備するもの等は殆ど同じなので、より詳しい内容は以前アップした記事を読んで頂ければと思います。ということでまずはお決まりのメネデール希釈水に種を半日程浸します。
あ!言い忘れましたが、この方法は私のやり方なので参考にされる方は
自己責任でお願いします。
はい、以上です。
メネデールを100倍に薄めた水に種を浸すんですが、いやいや俺は水に浸さないよって方も多いと思うので、まぁおまじない程度に考えてください。
その間に土を用意するんですが、こちらも前回同様に赤玉4+鹿沼3+軽石3など水はけの良い土2/3の上に市販の種まき用土を1/3を被せています。苗床の容器も前回紹介した100均の野菜蒸し器です。これは本当構造もサイズもベストですね。
それではいよいよ播種なんですが、本来ならこのまま種を蒔いて消毒の為にホーマイ水和剤(農薬)の希釈水をスプレーでシュッとするんですが、スプレーを用意するのを忘れてしまいどうしようかなと迷った挙げ句、消毒水(ホーマイの希釈水)にそのまま種を浸してしまいました。
※ホーマイ水和剤は農薬ですので、使用の際はくれぐれも注意してください。そして品種によっては農薬に弱く発芽しにくくなるものもあると思いますので、使う前に一度調べてみる事をおすすめします。
少々取りづらかったんですが、ピンセットで掴んで少し窪ませた土の上に種を置いていきます。覆土はしません。蒔き終わったら容器に残った消毒水をチョロチョローっと種の上から掛けておきました。
そして最後は消毒水を更に水で薄めて外側の容器に注ぎ、腰水にします。最初はすごい吸水するので多めに注ぐんですが、あまり水が多いと土が浮いてしまいますので土が1~2cmほど浸る程度にしてください。
さてこれで全て完了です!右側のコードは温度センサーが別で付いている内外温度計です。こちらは室温と苗床の温度同時に測定できます。ただあまり大きい容器ではないので殆ど室温と変わりません…。ですが、最高最低温度なども表示できるので便利ですよ。
1週間後の様子
今回播種したのが7/29だったのですが、約1週間後8/8時点での様子を見てみましょう。まずはランポーから。
おおお!たっくさん発芽してます!…ん?でもなんかヒョロ長くて
もやしみたいです…
これ本当サボテンか?ってくらいビヨーンとしてます。笑 こういうもんなのか、ここからあのサボテンらしい形になっていくのか??…まぁとりあえず沢山発芽したので良しとしましょう。
ではお次はマミラリアです。
おおお!こちらも発芽してますね。可愛いー!ランポーに比べてこっちはすでにサボテンって形になってますねー。
ではでは巻雲です。
あら!こっちも発芽してますね!見た感じひょろーっとしてますけど、頭はモコっとしていてサボテンらしい形してます。
次はアロエ・ラウヒーです。
うーん…全く変化無しですね…。ただ時間が掛かる場合もあるのでもう少し様子見ましょう。
お次はアロエ・デウェティ。
グググ…こちらも発芽していない。温度も湿度も十分なんですが、種が古いのかなぁ?あとほんの少し糸カビが出てるような種もあったので、念の為それは除いておきました。これももう少し様子見です。
では最後アロエ・ブランドライエンシスです。
おーー!!アロエ全滅か?と思っていたら発芽していました!嬉しい!
すでにアロエのような葉の形をしていますね。サボテンは今年採取のものだったので、まぁ発芽はするだろうとは思っていたんですが、アロエは正直発芽するか不安でしたね。ただ一種類でも発芽してくれたのでホッとしています。発芽していないラウヒーとデウェティも今後も引き続き様子を見たいと思います。
まとめ
いやー発芽した苗は何度見てもテンション上がりますね。それから毎日経過観察しているのですが、実はさらに1週間後の8/14に撮影した写真もあるんです。
それがこちら。
明らかに変わったのはマミラリアが一週間前と比べてさらに1.5倍くらい?発芽していますね。そしてアロエ・ブランドライエンシスも少し見にくいんですが、初週4つくらい発芽していたのが2週目で7つと予想以上に発芽しています。
発芽率
- ランポー・・・35~37/50
- マミラリア・・・34~36/40
- 巻雲・・・18/50
- ラウヒー・・・0/30
- デウェティ・・・0/20
- ブランドライエンシス・・・7/20
播種から2週間で上記のような結果となりました。ここから減ることはあっても増えることは無さそうですね…。未発芽のアロエ2種もちょっと難しいかなぁと思っています。
やはりこの結果からも種は新鮮なものの方が発芽しやすいと改めて実感しました。実際のところは播種後に毎日経過観察していたのですが、驚いたことにランポーは翌日には20粒くらいは発芽していましたからね。種としては「待ってましたー!」って感じだったんでしょうか。笑
現在はランポーが若干数、変な生え方したものが溶けちゃったりしていますが、概ね変わりはありません。他のものも少しづつ大きくなったり、サボテンは産毛のような棘が生えてきたりしています。
完全に出来上がった株を買うのももちろんアリなんですが、こういう目に見えて成長がわかるのが実生の醍醐味ですよね。そこからさらに長い時間を掛けて立派な株にすることができたら感動もひとしおでしょう。時期的に少ーしばかり遅いですが、工夫すれば冬もしっかり越せると思いますので興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?