今回は植物園探訪企画「BOTANICAL GARDEN(ボタニカルガーデン)」前回の「神代植物公園」につづいて第2回目ということで、板橋区にある「板橋区立 熱帯環境植物館」(通称:グリーンドーム熱帯館)へ行って参りました。このような温室型植物館は江東区夢の島にある「夢の島熱帯植物館」と同様に清掃工場の余熱を利用したもので、温室の他に温水プールなどにもそのエネルギーが賄われています。
こちらの植物館は板橋清掃工場の余熱を利用していて、高島平温水プールやふれあい館などの周辺施設にも利用されています。こういう施設は東京というか大都市ならではのものですよね。
実は先述の「夢の島熱帯植物館」も行ったことがあるんですが、このブログを始める前だったので記事にはしていません。でも最寄り駅の新木場の周辺にライフスタイル系の新しいお店ができているらしく、今度どちらも覗いてみようかと企んでいますので、行った際には改めて記事にしますね。
そしてそして、植物館の周りの観光スポットや、板橋区にあるもう一つの植物園の方にも足を運んでみました。写真も沢山撮って来たのでそちらも併せてどうぞ。
板橋区立 熱帯環境植物館 (グリーンドーム熱帯館)
熱帯環境植物館(グリーンドームねったいかん)は、東南アジアの熱帯雨林を立体的に再現しています。
潮間帯植生、熱帯低地林、集落景観の3つの植生ゾーンに分かれた温室を中心に、熱帯の高山帯の雲霧林を再現した冷室、さらに地階にはミニ水族館を設け、海から山へと続く、一連の熱帯環境を楽しみながら学べる博物館型植物館です。
施設全体で約3000m²、そのうち植栽面積は1000m²で、地下1階から地上2階までの吹き抜けとなる大空間を確保しています。隣接している高島平温水プールや高島平ふれあい館とともに、板橋清掃工場の余熱を利用した省エネルギー型の施設として平成6年9月に誕生しました。
・所在地
〒175-0082 東京都板橋区高島平8-29-2
TEL:03-5920-1131
FAX:03-5920-1132
・入館料
大人:260円
小学生/中学生:130円
65歳以上:130円
未就学児:無料
※土曜日・日曜日、区立小学校の夏休みは小中学生入館無料
※団体は有料20名以上で1名50円引き
※障害者手帳、愛の手帳などをお持ちの方(大人130円/小中学生・65歳以上60円、付添い1名無料)
・営業時間
10:00~18:00(入館は17:30まで)
・休館日
毎週月曜日(祝日、または休日の場合は直後の平日)/年末年始
・駐車場
当館の専用駐車場はありません。
※障害者手帳、愛の手帳などをお持ちの方、団体利用のバスには、若干駐車スペースがあります。お問い合わせください。
※隣接する高島平温水プールの有料駐車場(19台)をご利用いただけます(駐車券を受付にお持ちください。40分まで無料となります。それ以降は20分ごと100円がかかります)。
・ロッカー
1階受付前にロッカーがございます。(利用には100円かかりますが利用後もどってきます。)
実際に行ってみた
板橋区立熱帯環境植物館(以下グリーンドーム)は東京の北側板橋区にあって、最寄り駅は都営三田線「高島平駅」です。駅から徒歩6~7分なので割と近いですね。近くのバス停をチェックしたら西武交通のバスで”池袋駅行き”がありましたので、近くの方はバスでもいいんじゃないでしょうか。
周辺は「板橋区立こども動物園 高島平分園」などがあります。ちなみに分園と書いていますので”本園”があり、本園は同じく三田線の「板橋区役所前駅」の近くにあります。JRだと十条駅が近いですかね。すぐ北側には新河岸川が流れていて、隅田川をずーーっと遡ると新河岸川と合流します。もう少し北側に行くと荒川があります。清掃工場は川や運河に隣接していることが多いのでそういった理由からこの土地にあるのでしょう。
到着しました。こちらが外観。看板があるように土日は小中学生の入館が無料なので家族連れが結構多かったですね。そしてたまたまなんですが、2階にある「喫茶室 クレア」が今日リニューアルオープンらしいです。笑
グリーンドーム内はB1〜2Fの3フロアで、植物館なんですが地下にはミニ水族館もあったりします。植物の展示は「潮間帯植生」「熱帯低地林」「集落景観」「雲霧林」の4つのエリアに分かれており、区画も「温室」と「冷室」の2箇所に分かれています。
まず入り口に入ったら入館チケットを買います。区内と区外に分かれているんですが、料金が違ってたりするのかと思いきや同じですね…。チケットを買ったら受付で半券をもぎって、地下へ進みます。
地下にはミニ水族館があって、海水の水槽と淡水の水槽に分かれています。海水の水槽には綺麗な珊瑚や魚もいるんですが、タカアシガニやチンアナゴ(カワイイ!)もいました。
淡水の水槽には珊瑚ではなくもちろん水草なんですが、こちらも綺麗ですねー。テッポウウオやこのスケルトンのナマズ?みたいなやつとかいました。
ここを抜けると階段がありついに温室へ。と、その前に温室には池が作られているんですが、地下から地上に上がる階段の所で池の中を覗けるようになっています。ここには大型の淡水魚が泳いでいたんですが、熱帯魚でも人気で絶滅危惧種の「アジアアロワナ」もいましたね。それとちょっと写真には位置的に全体を写せなかったんですが、マジで引くくらいデカイ淡水の”エイ”がいて、本当ウソみたいなデカさで4畳半くらいに敷くラグみたいでした。笑 川に飛び込んでこいつがいたら死を覚悟しますね。
やっと温室内へ入りました。入ると「潮間帯植生」と「熱帯低地林」エリアの植物たちが生えています。ここは高くて大きな木が多いですね。あとネオレゲリアやビルベルギアなどブロメリア系もいくつかありました。そして見上げると高台(2F)に建っているシンボルの「マレーハウス」が見えます。
2Fに上る途中にはビルマムツアシガメの「ムッちゃん」がトボけた顔でお出迎えしてくれます。笑 マレーハウスの壁にはビカクの大株が掛かっていました。「プラティセリウム SP」と記載されていましたが、ビフルカツムですかね?
2Fに上がると橋が掛かっていて、橋の上から樹高の高い木に咲いている花を同じ目線で見れたりします。そしてさきほどの巨大エイが住む池を上から見下ろすことができます。
「集落景観」エリアを抜けてドアを開けると別の部屋になり、こちらが冷室の「雲霧林」エリアになります。ここは噴霧器からミストが出ていて常に湿度が高い環境になっています。主に食虫植物やベゴニア、ランなど多湿環境に適した植物たちを育てていました。
ランは意外と原種が少なく、交配種が多いように思います。まぁ難しいとは思いますがせっかく設備があるのでなかなか見られない原種を育ててくれると嬉しいですね。ただ着生ランに関してはコルクやヘゴ付けしてありどれも立派な大株でした。それと立入禁止のバックヤードや3F?の立入禁止のところにも結構な数のカトレアやバルボなどがチラッと見えたので、そこで生育させて開花時期になると展示するんでしょう。
最後の雲霧林エリアを抜けると噂のリニューアルした「喫茶室クレア」があります。上の写真のガラス張りの部屋が見えますよね?ここがクレアです。なのでガラス越しにグリーンドーム全体を見ながら飲食ができます。ということで、せっかくなんで食事もしてきました。料理は熱帯植物館だけあって東南アジア各国の料理がメインで、私はナシゴレン食べましたけど美味しかったですよ。リニューアル初日だったからかアイスクリームがサービスで付きました。
クレアの先に少し通路があって、そこにはチランジアいくつかがハングされていました。花の付いた株もチラホラ。そして通路を渡りきると温室は終了です。その先は売店と特別展示室があります。今は「ツバキ展」をやっていましたね。そして謎の撮影コーナーが設けられていて、熱帯だからなのかアロハシャツやフラダンスのスカートが貸衣装として置いていました。ハワイはあんまり関係ないんだけどな…笑
そして下に降りると入り口に戻ってきて、これにて終了となります。感想は後述するとして、いやー見応えありましたね。
一路「赤塚植物園」へ
そして、意外とスンと見終わったので板橋区にあるもう一つの植物園「赤塚植物園」にも行ってみました。場所は高島平駅を挟んで反対側、東武東上線「成増駅」「下赤塚駅」方面にあります。歩くと結構あって30分以上掛かるようなのでバスで向かいました。詳細なルートは各自調べて下さい。でも20分程で最寄りの「板橋区立美術館」の停留所に着く…ようなんですが…盛大に乗るバスを間違いまして、西の方へ連れて行かれちゃいました。笑
ん!?って思った所で慌てて降りて、そこから歩きましてやっと「板橋区立美術館」前に到着。そうしたら近くの標識に「東京大仏」の文字が。
だ、い、ぶ、つ?
と、も、だ、ち?みたいになっちゃいましたが、(笑) なんと東京大仏というものがあるじゃないですか、しかも目的の赤塚植物園のすぐ近くだったので、いっちょ見とくかーということで大仏様も拝んできました。
「乗蓮寺」というお寺のようです。いやりっぱな門構えとお堂ですね。
ババーンとこちらが大仏様ですね。奈良や鎌倉と比べると小ぶりですが高さ13mらしいです。なんか新しいなと思ったら、東京大空襲や関東大震災などの戦災や震災が再び起こらないようにと1977年に建立されたようです。ちなみにこちらの「乗蓮寺」には遺体はないんですが、供養のための建てられた冒険家の”植村直己”さんのお墓があるようです。
そしてお寺から数十秒歩くと「板橋区立赤塚植物園」がありました。入園料はなんと無料です!おおおなんと素晴らしいと思い入園しましたが、ひとつ言えることは、「正直来る時期間違えた…。」何故かと言うと
えー全てが雪に埋もれています。全てです。
あちこちに植物の名前が書かれた立て札があるんですが、樹木以外全て雪の下です。笑 なんという肩透かし。でも板橋区のホームページを見る限りとても綺麗な所ですよ。運悪くこの前の大雪がまだどっさり残っていまして、本当一瞬東京だと思えませんでした。
そのなかでも「蝋梅」は花をつけていました。黄色くて可愛らしいお花です。こんなに雪は積もっていますが、植物たちの春への準備は進んでいるんでしょうね。
まとめ
ということで最後の赤塚植物園では、掛けていた梯子を急に外された感覚はありましたが、笑 植物に沢山触れ合えた1日となりました。
グリーンドームは本当見応えありました。神代や夢の島の温室も行きましたが、どちらも日本でなかなかお目にかかれないレアな植物を育てているんですが、ここは育てている植物というより展示施設としての完成度が高かったように思います。温室の中に階層や傾斜が上手く設けられていて、地表にある池の中や、逆に高いところから樹高のある木などを間近で見れて、様々な目線の高さを楽しめます。
そして飲食できる場所が温室内にあるのも珍しいですよね。施設の中だとしても普通温室内には無いですが、ここは植物を俯瞰で見ながら食事ができるので植物好きな人はお茶するだけに来ても良いんじゃないですかね?入館料¥260ですし。
以前紹介した「神代植物公園」は圧倒的な”広さ“で公園内を散策しながら沢山の植物を見ることができますが、
こちらはコンパクトな建物の中に生物・植物が”縦に“上手く配置されていて、手軽に非日常を体験することができました。おそらく裏で開花前後のランが多数控えていると思うので、今度改めて違う時期に訪れてみたいと思います。植物好きじゃなくても必ず楽しめると思うので、みなさんも是非足を運んでみて下さい。
そして実はグリーンドームの売店で多肉やランが少し売っているんですが、今が時期の「オンシジューム フレグランス・ファンタジー」の花付き株が¥250で売っていたのでひとつお土産に連れて帰りました。今ちょうどヒヤシンスも咲いているので部屋中ふわーっと甘ーい香りがします。やっぱりテーブルの上に生花があるのは良いですね。部屋の雰囲気がパーッと明るくなります。