今回から植物園の訪問記を”BOTANICAL GARDEN”シリーズとして連載を開始したいと思います。記念すべき第一回目は東京都立唯一の植物公園”神代植物公園”です。
神代植物公園は調布市の有名なお寺で、”銅造釈迦如来倚像”が最近国宝に指定された”深大寺”に隣接していて、植物公園自体も深大寺の旧寺領だったようです。位置的には京王線調布駅の北側2kmくらいに位置しています。西側には調布飛行場があります。アクセスは調布駅から京王バスもしくは小田急バスで10〜15分程です。
神代植物公園の概要
武蔵野の面影が残る園内で、四季を通じて草木の姿や花の美しさを味わうことができます。この公園はもともと、東京の街路樹などを育てるための苗圃でした が、戦後、神代緑地として公開されたあと、昭和36年に名称も神代植物公園と改め、都内唯一の植物公園として開園されました。
現在、約4,800種類、10万本・株の樹木が植えられています。園内はバラ園、ツツジ園、ウメ園、ハギ園をはじめ、植物の種類ごとに30ブロックに分け ており、景色を眺めながら植物の知識を得ることができるようになっています。また、古くから伝わる日本の園芸植物の品種の保存や植物・園芸に関する催しや 展示会を開き、都民の緑に対する関心を高めるのに一役買っています。平成28年5月年には大温室がリニューアルオープンし、珍しい熱帯の植物が集められ、彩り鮮やかな花々を 鑑賞できるようになりました。
所在地 | 調布市深大寺元町二・五丁目、深大寺北町一・二丁目、深大寺南町四・五丁目 開園時間 休園日 入園料 ※身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳または療育手帳持参の方と付添の方は無料 【年間パスポート】 |
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引用: 公益財団法人 東京都公園協会 HP「公園へ行こう!」
実際に行ってみた
“体育の日”を含んだ三連休最終日に行ってきました。もう秋晴れの最高の天気で、日差しも結構強かったので少し汗ばむくらいの陽気でした。それでも夏に比べたら湿度も低くて本当に気持ちよかったです。
バス停は正門の目の前なので、バスを降りたらすぐです。入り口の券売機で入園料¥500を払い、いざ入園。
私は神代植物公園に訪れるのは今回初めてで、もちろん公園自体も訪れてみたかったのですが、洋ラン・多肉好きとしてメインの目的が去年リニューアルしたばかりの大温室です。ラン室やマダガスカルなどの乾燥地帯多肉エリアなどがあって楽しみです。こういう温室って植物園自体の閉園時間より早めに閉館する可能性があるので、まずは入園してすぐ温室に向かいました。
…と思いましたが、温室行く途中にはダリアが咲いていたのでちょっと立ち寄り。ダリア好きです。大振りなものよりりキュッとポンポンしてるヤツのほうが好きです。
そしてドーン!っと個人的メインのリニューアルされたばかりの大温室です。2棟が続いていて、入り口は1つ。左側の温室から入り、ぐるーっと回って右側の温室から出てくる感じです。
外も結構暑かったんですが、中に入ると当たり前ですけど気温がぐっと上がるので上着を脱ぎます。そして入るとすぐに池があり、熱帯植物が生い茂っています。このエリアは熱帯花木エリアで、(個人的な)見どころはエンセとザミア2つが並んでいて迫力がありました。その他にも”ヒコウキソウ”というその名の通り三角形の飛行機みたいな葉をした植物が面白かったですね。その他はサンセベリアや食虫植物なんかもありました。
このエリアを抜けるとちょうど右の温室と左の温室の間に位置する所で、ラン室とベゴニア室がありました。
まずラン室から入室。三村風に言うと、やっぱり「ションテンガリアー」(テンション上がる)でしたね。沢山の珍しいランがあって、結構な時間ここで費やしました。そしてここではずっと見たかったモンキー・オーキッドと呼ばれるドラクラ属が咲いていました。種名はうっかり失念しましたが…モンキー・オーキッドはヒネリ無しで、猿の顔に見えるのでそう呼ばれているんですが…
これ猿の顔に見えますか…?なんかもっと写真で見た時は猿やん!って感じだったんですけど、まあ顔に見えなくも…ない。レベルで少しがっかり。たぶん同じドラクラ属でも種で違うんだと思いますけどね。
それと家でも育てているスタンホペア。花を付けた株は無かったんですが、でっかい花芽は出していました。
家と同じようにバスケットに揺られています。驚いたことに、スタンホペアが5〜6株吊られていたんですが、どれもバックバルブ(球根のような茎)が5、6個で葉を付けているのもそんなに多くない。家の株と比べると明らかに小さいんですよね。家のなんてバルブ12〜13個で、新芽も5つくらい付いているんで、こんなに小さい株でも花付けるんだ!と驚きでした。家の株にも希望が見えてきました。
それとドラクラを初めて見たんですが、スタンホペアと同じように花が下垂して下向きに咲くんですね。それにも驚き。
その他にもハトランという希少なランも咲いていて、花の中に鳩時計の鳩みたいなやつがいました。カ、カワイイ…!
他にも花がクモの”タランチュラ”に擬態したランで、葉っぱの影に隠れているんですよ。本当にランは進化の真っ最中な植物なので変なやつが多くて楽しいですね。
そしてラン室を抜けるとベゴニア室なんですが…ラン室と打って変わって温度が低て寒い…ベゴニアの花は綺麗なんですが… 謎の小さい流れるプールに花を浮かべてたり、金田一少年の事件簿で流れているようなオルゴール?の奇妙な音が流れてて、その世界観になぜか不安な気持ちになりました。笑
辛くなり早々にベゴニア室を出て先へ進むと、次は向かって右側の温室に入ります。最初のエリアは熱帯スイレン室で、大きいプールが2つほどあり、中には水蓮と、金魚やグッピーたちが泳いでいました。そして奥の壁のくぼみにビルベルギアやネオレゲリアなどのブロメリア系が着生していました。
このエリアを抜けると小笠原諸島の植物エリアがあって、出口に一番近い最後のエリアが、今の植物ブームのスーパースターたちが勢揃いしている乾燥地帯エリアがあります。
家でも育てていて、塊根植物の記事でも書いた”ケファロペンタンドラ・エキローサ”のでっかいやつがいました。ここまで大きくなるのに何年掛かるんだろう…?
その他にもコーデックスの人気者パキポ様やパキプス様のお通りだい!って感じですが、パキプスやたら徒長してるように見えるんですが、どうなんでしょう?
あとはホリダスとトリスピノーサのエンセ2TOPです。凄い大株ですよね。その他にもアデニアや、たぶん50年超えの巨大な金鯱などサボたちが勢揃いしています。あとステージのように花座がせり出してくるメロカクタスなどもいましたね。
このエリアを出るとやっと温室の出口になります。いやー充実した内容でしたね。個人的にはラン室が楽しくて、普段見られない希少なランが沢山見れて嬉しかったです。
今回のメインの目的であった大温室を見れたので満足でしたが、せっかくなので閉園時間まで公園内を散策しました。
今はちょうどバラフェスタみたいなのをやっていて、温室の向かい側のバラ園にはバラ好きマダムたちが沢山いました。植物公園自体にも三連休ということもあって、沢山の人が来園していましたね。
芝生エリアというだだっ広い芝生が広がっていて、そこで子供連れの家族がマットを広げてご飯食べていたり、子供たちが追いかけっこしているんですが…ん?芝生エリアの真ん中になんかある?
近づいてみると、
モフモフがこんもり
なんかススキが山みたいにこんもりしていて、遠くからみたら芝生のど真ん中にこんなのがあるんで、なかなかシュールでした。どうやらこの植物はススキではなく、”パンパスグラス”と言って、和名は”シロガネヨシ”というらしいです。ススキに似てるんですが、デカイです。人があのサイズなので3m近くあるでしょう。どうやら神代植物公園の秋の名物らしいです。
その他にも、カエデ園、梅園や今の時期咲く桜など珍しい花木もあったり、天候も良かったので散策するだけでも心が癒やされました。やっぱり植物は良いですね。
日も傾いてきたところで17:00閉園の時間です。正門と反対側の深大寺門の方から出て、帰りは深大寺を参拝しました。本当に隣接しているんですね。もう歩いてすぐに境内がありました。時間が遅くて国宝の銅製釈迦如来倚像は拝めませんでした。確かに飛鳥時代の仏像はなかなかお目に掛かれるものでは無いですからね。(実は私仏教や仏教美術も好きなんです…)
唯一の心残りが公園内の売店に行けなかったことですね。季節の花や苗が揃っているみたいなので今度また来る時は訪れてみたいと思います。
まとめ
実際行ってみて感じたのが、神代植物公園は植物はもちろんなんですが、単純に公園としても楽しめます。
今回は個人的に大温室をメインの目的に考えていたんですが、広大な敷地に様々なエリアがあって季節ごとの植物が楽しめるし、木々の間を歩きながら散策しているだけで心が休まります。
あと植物の名前当てクイズのプレートが所々に設置してあって、(これが結構難しい 笑)子どもも大人も楽しみながら植物の生態を学べると思います。
しかも年間パスポートが¥2,500って激安ですよね。5回行ったら元取れますよ。近くに住んでいたら絶対買ってますね。
調べてみると、都内に植物園や植物に関連する施設が意外とあるんですよね。今後も定期的に植物園を訪れて記事にしていきたいと思います。連載って言っちゃいましたから。これから秋で紅葉の季節だし、みなさんも是非植物園に足を運んでみてください。
PS
今回は写真が多かったのでギャラリー仕様になっています。写真は全て上のスライダーでご覧頂けます。本文に載せていない写真もあるので是非ご覧下さい。