このブログは植物ブログか??と思われてしまってもしょうがないくらい植物関連の記事が多い当ブログ。そんなプラントラバーな大家ID-32ですが、もちろん自分でも植物をいくつか育てています。例えば洋ラン(着生蘭)であったり、サボテン、多肉、エアプランツなどなど。
その中でも好きなヤツら…いや、彼女たちが「塊根植物」と呼ばれる植物たちです。コーデックス(Caudex)とも呼ばれますが、多肉植物の仲間で、塊(かたまり)の根(ね)と書いている通り、木質化して固く太い根または幹を持った植物たちを指します。
有名な種類は、コーデックスの王様”オペルクリカリア・パキプス“や、今植物界で一番の人気者”パキポディウム・グラキリス”、こちらも荒々しい棘で人気の”アデニア・グロボーサ”、綺麗な大輪の花を咲かせる”アデニウム・アラビカム”などが代表的な種類ですね。
そんな塊根植物の一番の魅力はやっぱりその特徴的なまるっとしたフォルムですね。熱帯の乾燥地帯や岩上などに自生しているものが多く、少ない水分をその塊根部分に溜め込こみ、強風にも倒れることのないよう、根や幹を肥大化させながら過酷な環境をサバイブしています。なので育った環境が過酷であればあるほどずんぐりした体型になります。植物好きの方でパキポディウムを実生(種から育てること)で育てている方は多いと思いますが、日本の気候や環境でどうやったら丸く、太く育てられるかが頭を悩ませるポイントになっています。
そしてムッチリして丸みのあるボディは女性的で何とも言えない色気があります。(自分だけ!?) それでは我が家の塊根植物たちを3種類紹介しましょう。
1. “フィルミアナ・コロラータ”
フィルミアナ・コロラータ / Firmiana colorata
フィルミアナ・コロラータ(以下コロラータ)は南アジア一帯が原産のアオギリ科の植物です。
この株はグランカクタスさん(オークション)で購入したのですが、最初送られてきた時は葉もなく一本の枝のみでこれ大丈夫か…?なんて思ってました。そして鉢を持った瞬間ゴロンと芋が倒れて…。エ!と思って土をみたら切れた根だと思われるものが数本…。
どうやら土が乾ききっていて、根が脆くなっていたところに輸送の衝撃が加わって根が切れちゃったんだと思います。せっかく発根したものを買ったのにと落ち込みましたが、土をBANKS CollectionのBest soil mixに植替えて、メネデールの希釈水を掛けたりしながら現在発根管理中です。
鉢は送られてきた黒のプラ洋ラン鉢をそのまま使っているんですが、発根を促す為に黒のプラ鉢で株をできるだけ温めています。根の状況は確認していませんが、うちに来てから1週間後くらいには小さい葉をつけはじめましたね。
特徴は白くてボコボコした塊根部と、ツンツンツンと3箇所尖ったかわいい葉ですね。自生地では10m近くの大木に育ち、美しいオレンジ色の花を咲かせるようですが、残念ながら鉢植えで株も小さいと花は付けないようです。日差しが好きで、夏場ガラス越しの直射日光ぐらいなら葉が傷む事なくグングン葉を増やします。水やりは土が乾いたら流れるくらいたっぷりあげて、たまにイモと葉を霧吹きで湿らせるくらいでした。
2. “ケファロペンタンドラ・エキローサ”
ケファロペンタンドラ・エキローサ / Cephalopentandra ecirrhosa
ケファロペンタンドラ・エキローサ(以下エキローサ)は東アフリカが原産のウリ科の植物です。
この株もグランカクタスさん(オークション)で購入したのですが、こっちは抜き苗で、抜き苗を買うのが初めてなのでちゃんと発根させられるかなぁとちょっぴり不安でした。これもコロラータと同じようにBest soil mixで黒いプラ鉢に植えています。植えてから暫くは変化がなく、表面ガサガサのただの木の棒にしか見えませんでした。それから3週間後くらいにやっと芽吹いてきて、それからはガンガン新葉を増やしてます。葉はほうれん草みたいでパッと見美味しそうですが、青臭い匂いが強烈です。
特徴はやっぱり独特のボコボコ、ガサガサした幹と、緑色で鈍い光沢のある樹皮ですね。これがもっと大きくなるともっと表面の溝が深く切れ込んでいき、円錐状になりとうてい植物には見えない異様な姿になるようです。うちの株はダイレクトに葉が伸びてきましたが、ウリ科の塊根植物の多くはツルを伸ばして近くのものに絡みついていくんですが、エキローサは50〜60cmくらいしかツルは伸びないみたいで、種名の”ecirrhosa”も”巻きひげがない”という意味らしいです。
これも夏場のガラス越し直射日光くらいなら大丈夫で、土が乾いたらたっぷり水をあげます。乾くと葉からの水分蒸発を防ぐ為に葉の中心を折り目にしてパタッと葉を閉じてしまいます。成長は激遅のようなので、立派な株になるには根気よく育ててあげないといけません。
3. “アデニウム・オベスム”
アデニウム・オベスム / Adenium obesum
アデニウム・オベスム(以下オベスム)はアフリカ大陸東海岸沿岸一帯とアラビア半島の一部が原産のキョウチクトウ科の植物です。
和名は「砂漠の薔薇」で親しまれていて、赤やピンクの美しい花を咲かせます。この株は某ホームセンターで購入しました。購入した時は葉はちょろっと申し訳なさそうに付いていたんですが、新葉が出てもすぐ黒くなって落ちてしまい明らかに不健康そうでした。
それでどうやら土の水はけが良くなさそうで、幹の一部分ブヨブヨしてきてこりゃマズイということで、またまた土をBest soil mixに植え替えて、マグアンプKを少々、そして直射日光にガッツリ浴びさせたら新葉がガンガンに出てきて幹の張りも明らかにしっかりしてきました。(いやーBest soli mixすごい!値段も高いだけある。笑)葉も茂ってきて、今年花咲かせるかなー?と思っていたんですがまだ咲いていません。もう秋なので来年でしょうかね。
特徴はでっぷりしてツルンとした幹と、砂漠の薔薇と呼ばれるように美しい花をつけるところですね。そしてオベスムはアラビカムのようにあまり幹が太くならないです。アデニウムはとにかく日光です。自生環境が砂漠なので直射日光に当てないと枝や幹が徒長して弱い株に育ってしまいます。夏場は土がしっかり乾いたらたっぷり水をあげて、私の場合は幹の張りを確認しながら乾かし気味に育てています。
まとめ
この他にも実生のパキポディウム何種類かとオベスム、ユーフォルビアの”プリムリフォリア”(地むぐり花キリン)や”ステラータ”(飛竜)などなど育てています。塊根植物はやっぱり変な形のものが多くて見てるだけで楽しいですね。私は下戸なんですけど、お酒飲める体なら植物をオカズに記憶無くす程の量飲めそうです。一般的な樹木と違って丸みがあって流線形のフォルムなので、育てているというより”飼っている“感覚になるんですよね。不思議…。
今植物界ではグラキリスやグロボーサが超人気ですが、今後はもっと地味でマイナーな塊根植物を育ててみたいと思います。そしてまたここで紹介できればいいですね。
PS
説明の参考にさせてもらっていて、リンク先になっているサイトisla del pescadoさん。コーデックス好きな人なら知らない人はいないほど超有名なサイトで、オリジナルのテキスタイルと植物を販売しているお店です。かなりの数の植物を網羅していて、自生環境の情報や育て方、そして実物の写真も掲載されていて神のようなサイトですね。いつも参考にさせてもらっています。