植物を育ててると、いい感じの、いい具合の鉢が欲しいなぁとしみじみ思うことは何度もあります。皆さんもあるはず。
近頃だとTokyさんなどシャレオツで上質な鉢専門のお店ができて、更には通販で購入できるようになって以前よりは手に入りやすい時代にはなっているんでしょうが、良いやつに限って在庫が無かったり、サイズがなぁとか色がなぁとか中々ドンズバなものが無かったりします。
その解決方法として、「もう好みの鉢をYou作っちゃいなよ!」と、オリジナルの鉢をDIYで作ってしまうジャニーさん方式(そんなのは無い)があります。
個人でできるオリジナル鉢のDIYは、私も以前チャレンジしたのですがセメントポットが代表的ですよね。
セメントポットは雰囲気も良いし、セメントを型に流し込むだけなので、型さえあれば形は無限にできます。どこを探しても手に入れられないような個性的な鉢を簡単に作る事が可能です。
しかしセメントポットはいかんせん
べらぼうに重い。
もちろんセメントの量で変わってきますが、そこそこの大きさのものを作るとどうしてもヘビーになってしまいます。まぁ安定性が高くなるというメリットもあるんですけどね。
そうなると、「自分だけの陶器の鉢を作ってみたい…」と思うのは自然な流れですよね。
ということで、少々強引ではありますが(笑)連載記事「HANS-ON WORKSHOP」第2回目は陶芸体験でオリジナルの鉢を作りに行きました。
陶芸を体験しに一路西多摩郡日の出町へ
実は陶芸体験をしたのがもう3ヶ月前。3月の末のまだまだ寒い季節でした。
窯入れのスケジュールなどで発送まで2ヶ月は掛かり、体験には友人達数人と行ったんですが、友人の家に出来上がった陶器が到着したので先日受け取りに行って来ました。
なのでレポートはだいぶ前の事になるのでご了承下さい。
今回陶芸体験でお世話になったのが東京の西多摩郡日の出町にある陶芸工房「愚陶庵」さん。
日の出町は東京の西側「あきる野市」のお隣の町です。ていうかほぼほぼあきる野市です。工房までは車だと圏央道「日の出」ICから6〜7分程。車で行くのがベストですが、電車だと最寄り駅がJR五日市線「武蔵引田駅」で、そこからバスと徒歩で15分程でしょうか。
都心からも車で2時間かからないくらいなので行きやすいですね。
「愚陶庵」に到着。住宅地の中にあるので場所が少々わかりにくいんですが、近くに着いたら電話で確認するのが手っ取り早いと思います。駐車スペースも1、2台は停めれるはずです。(※要事前確認)
近くに川も流れていて、とても自然豊かで良い場所にありますねぇ。
中に入るとすでに土や道具などがセッティングされていました。
陶芸体験のシステムが、まず「ろくろコース」と「手びねりコース」に分かれています。私たちは9人というまぁまぁな人数で行きまして事前にコースを選んだところ上手いこと4-5で別れたので問題なかったのですが、電動ろくろが5台しかないらしく、全員がろくろを選ぶと、交代で使うことになるのでかなりの時間になってしまいます。なので大人数で行く場合はその点も要注意です。
両コースとも2時間で、¥3,850〜。与えられた土の量であれば何個でも作れるんですが、窯入れは2個まで。それ以上焼く場合は追加料金がかかるようです。
私は鉢を作るので底穴を開けたり高台を付けたり、それと表面にテクスチャをつけてみたかったので手びねりコースにしました。ろくろコースでは時間的にそこまでの工程が難しいとのこと。
それでは最初にレクチャーを受けるんですが、まずはろくろチームから。
まずは器の形にする前にろくろを回し、土に水をつけて手で伸ばして円柱状にしなきゃいけないんですが、当たり前ですけど先生がやると土が生き物みたいにスーっと伸びたり縮んだりで凄いです。流石。
ろくろチームのレクチャーが終わると我ら手びねりチームのレクチャーです。
まずは作りたい大きさの土を取って手回しろくろの中心に置きます。そして底になる部分をギュッとろくろに押し当てて貼り付けます。
そしてしっかり固定させたら、親指で中心に穴を開け、親指を穴に入れて残りの指でつまんで壁を作って行くように側面を伸ばしていきます。
それを一周ぐるっと伸ばしたら指の位置を高くしてまた同じように側面を伸ばしていきます。そうするとだんだんと上に伸びていき高さが出てきます。
コツは出来るだけ均等な力で、均等な間隔で伸ばしていくこと。そうしないと厚かったり薄かったりする所が出てきてしまい焼きムラになってしまうようです。
そして例えば失敗したからやり直したいなぁっていう時は、大丈夫なところまで横にズバッと切ってしまって、そこから再開することもできます。
余ってる粘土を小さく切って、手のひらで伸ばして細い紐見たいな粘土を作ります。それを淵の内側にクルッと付け足していくことで、失敗した所からやり直したり、さらに高さを出して行く事ができます。
ただレクチャーといっても電動ろくろと違って機器の操作もないし、粘土を好きなように切ったり足したりできるので
かなりフリーです。
先生もまぁとりあえず皆さん好きなようにやって下さい。的な感じでふわーっとレクチャーは終わりました。
それでは実際作っていきましょう。
おおおみんな上手だな。もちろんみんなは私のように植物バカではないのでお椀だったり湯呑みだったりを作っています。
そして私のヤツ。うんうん。いい感じじゃないですか?無骨な男らしい鉢になりそうです。ちなみに焼き上がると一回り小さくなるのでそれをなんとなく計算して大きさを決めます。
2個目を作っていきます。今度は細くて小さめですが一輪挿しにするつもりです。あと手びねりだと手の大きさ、指の長さの限界があるので背の高いものはちょっと難しいですね。私も花瓶作りたくて限界の高さまでやってみたんですが、失敗しちゃってやり直しました。笑 それでスケールダウンして一輪挿しに変更。
ろくろチームの様子を見に行ったんですが、みんな上手!ものづくり系の人たちなのでみんな器用だなぁ。
そんなことしてたらもう終了の時間です!早かったなー!楽しいし、集中していたので本当2時間あっという間でしたね。そして最後は釉薬の選定です。3種類ほどの釉薬から選べて、外側だけなのか内側も釉薬付けるのかなど組み合わせを考えてお伝えします。
それと陶芸教室や工房って全国津々浦々星の数ほどありますが、決め手は釉薬にあるようです。土の質などももちろんあるんでしょうが、釉薬の配合は工房独自のものなので、そこにセンスが出るんでしょう。例えば美しい形の器が作れたとしても、釉薬の色でなんか古臭い印象になってしまったりするので、ウェブサイトなどで事前に工房の作品を見て確認しておくと良いと思いますよ。
その後はみんなであきる野市の料亭?なのかな?炭火・山里料理屋さん「黒茶屋」で夕食。あらまぁいい雰囲気ですねぇ。築250年の古民家らしいですよ。この日はあいにくの雨だったんですが、逆に雰囲気を良くしてくれたように思います。料理も季節の野菜や近くの秋川渓谷で採れた魚など、美味しいのでお薦めです。
あとどうでもいい話なんですが、駐車場停める時ここ通るの!?っていう急な下り坂で、小っさい木の門をくぐるんですが、ちょっと緊張します。笑
完成した鉢を披露
ではでは完成まで待ちに待った鉢を披露したいと思います!
ジャン!うん良く言えば「良い味」出てる。ていうかなかなか
歪んでますね 笑
まぁまぁ初めてなんでこんなもんでしょう。鉢の大きさはだいたい4号鉢くらいのサイズですかね。釉薬は鉄っぽい黒系で、外側のみにしました。想定通り無骨な雰囲気ビンビンです。
2つ目は一輪挿しです。こちらは透明っぽい釉薬です。土そのままの色が出ています。高さが5〜6cm程で、口は内側にくるっと巻いてみました。ちょっとした棚に飾るの良さそうですね。
あれ?3つ目?そうなんです。3つ目も作って焼こうか迷ってたら、先生がろくろコースの方に付きっきりで手びねりコースの方はほとんど見れなかったからオマケで窯に入れてくれました。
これは裾広がりな形にして、表面にギザギザのヘラでテクスチャを付けてみました。ギザギザになった所に釉薬が溜まって面白いかなーと思ったんですが、うん。結構面白い表情してます。大きさは直径7〜8cm程。青の釉薬が綺麗ですねぇ。
こちらは底穴開けなかったんですが、やっぱり鉢で使いたいということで、自分でルーターで削って穴開けました。ルーターだとちょっと時間掛かりますが、水かけながらゆっくりやれば簡単に開きます。
まとめ
さてさてどうだったでしょうか?陶芸体験って湯呑みや茶碗とかが多いんですけど、意外と鉢作るって無いですよね。工房によって体験で作れるのはこれって決まってたりするので、もし鉢作りたい場合は事前に確認しないとですね。
結構完成まで時間が掛かってしまったので、届くのをずーっと楽しみに待ってたんですよね。まぁちょっと不格好ですが自分だけのオリジナルの鉢が作れて大満足です。今回手びねりだったのでろくろでも作ってみたくて、別の教室にも行ってみようかと計画中。
そして!鉢を作ったということは…この中に植える植物が必要ということですよね?ということで、先日ある場所に行ってこの鉢に合う植物を探してきました。ずっと行ってみたい場所だったので、行けてテンション上がりまくりでした。
その時の様子を今度アップ予定です。乞うご期待。
土屋宏
8月 4, 2019自分ではぜひとも作りたいしかし費用も相当かかるのではと。
TOKYO PENTHOUSE
2月 3, 2020大変申し訳ありません…コメントに気づかずだいぶ遅くなってからの返信になりました…もう見られていないかもしれませんが…
確かにまとまった数を作るとなると、どこか教室に通うことになると思いますね。そうなると月々の費用が掛かってきますが、私のように体験だと1~2鉢作れて¥5,000+送料ほどで作れます!
もし少量でも良ければ最寄りの陶芸教室の陶芸体験に申し込んでみてはいかがでしょうか。