このブログで使われている9割以上の写真は愛機「SONY α7s +Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS (SEL2470Z)」で撮影されています。(このブログの出だし前も使ったような…) α7sの高感度もZeissレンズの解像感もすべて気に入っているのですが、Eマウントレンズはこの1本のみなのでそろそろ違うレンズ使ってみたいなぁと考えていました。
標準ズーム1本あると使い勝手も良くて、そこまで画角に困ることはありません。どちらかというともっと違う雰囲気の写真が撮りたいと思って、次は”明るい単焦点“が良いんじゃないか?ということで色々と調べてみることに。
例えばCanonであれば”撒き餌レンズ”と呼ばれるEF50mm f1.8IIとか(今はリニューアルしてEF50mm F1.8 STMらしいですね)があるので、SONYにもあるかー?と思って探したところ「FE50mm F1.8 (SEL50F18F)」がソレに当たるようです。実勢価格が約30,000円。他にも「FE50mm F2.8 MACRO(SEL50M28)」というマクロがあるじゃないですか。実勢価格が約60,000円で高くはないんですが、なんとも絶妙な値段…少し足したら「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA (SEL55F18Z)」が買えちゃいますからね。
結構心がSEL50F18Fに傾いていて、ブログも背景ボカした良い感じの写真載せられるぞ。グフフなんて考えていたら、ハッと思い出しました。
俺、古い単焦点持ってるぞ…
ミラーレスとオールドレンズ
カメラが好きな方なら当たり前にご存知だと思いますが、実はデジタルカメラに”マウントアダプター“というものをレンズと本体の間にかませることで、古いフィルム・マニュアルフォーカス時代のレンズを取り付けることができます。
その中でも私の所有するα7シリーズは35mmフルサイズのミラーレスカメラなので、35mmフィルムと同じセンサーサイズだし、ミラーレスは”フランジバック”といってレンズからセンサー間の距離が短いのが特徴なのですが、短い事を利用して様々なマウントアダプターが取り付け可能とあって、多くのα7シリーズユーザーの方々は最新のデジタルとオールドレンズの組み合わせを楽しんでいます。
フォーカスはマニュアルになってしまいますが、自分も単焦点欲しかったし、フルサイズのカメラでオールドレンズを前々から試してみたかったのでこの際やってみようと思い立ちました。
MINOLTA NEW MD 50mm F1.4
私の持っているレンズはミノルタの「NEW MD 50mm F1.4」1981年に発売したレンズです。なぜこれを持っているかというと、仕事で動画撮影などをやっているのですが、5年ほど前WEBで公開する短めの動画を撮影する時に少ない予算で機材を揃えようと考えた結果、当時パナソニックGHシリーズをハックしてビット数上げたりする改造が一部のマニアで盛り上がっていて、(それと同じくCanon 5D MK2を「マジックランタン」という改造ファームウェアでRAWビデオを撮影するのも盛り上がっていました)改造GH1とマウントアダプター+オールドレンズの組み合わせで撮影していました。その時買ったのがこのレンズです。なんともマニアックな話に…
動画撮影は基本マニュアルフォーカスなのでオールドレンズでも問題ないですし、尚且つオールドレンズのあまり解像感のない、シャッキリしない画もフィルムライクな雰囲気を出していたのでそこも好まれていました。日本でもDSLRムービーが注目されていた時でしたので、動画撮影のできるデジタル一眼と、オールドレンズの組み合わせは若いクリエーターを中心に多くの人が試していたんではないでしょうか。
そんなことで最初はCanonのFDレンズあたりがめちゃくちゃ安く売っていて、オークションで探していたんですがなかなか程度の良いものは押さえられていたのかあまり無く、色々と物色していて見つけたのがこのレンズでした。たしか7,000円くらいだったような気がします。
マウントアダプター K&F Concept MINOLTA MC MDレンズ-SONY NEX
そしてレンズだけあっても装着できません。肝心のマウントアダプターですが、これも値段がピンキリなんですよね。国産の工作精度が高いものは数万します。レンズ7,000円でアダプター数万ってちょっとブレるな。笑 と思い、Amazonを物色していたら「K&F Concept」のマウントアダプターが安いし、レビューの評価もまあまあ良かったので、ガタツキが無ければいいやぐらいの感覚で購入。
実際届いたのが写真の商品です。
安かったのですが、思った以上にしっかりした商品でした。実際ガタツキも全くありませんし、固くて装着しづらいなんてこともありませんでした。良い個体に当たったんでしょうね。実際マウントアダプターはフランジバックを調整するだけのものなので、(電子接点付きや、絞り付きや、補助レンズ付きなどもありますが)よっぽど作りが悪くない限り安いもので全然問題ないでしょう。
レンズ側マウント部も金属を使用しているのでガッシリしています。カメラ側マウント部は樹脂製です。飛び出している突起は「レンズ外しボタン」です。レンズを外す時は押しながら回して外します。筒の内側は反射防止に細かい溝が切ってあります。気になる方はベルベットなどの起毛した素材を貼り付けても良いかもしれません。
FE 24-70mm F4 ZA OSSと撮りくらべ
「NEW MD50mm F1.4」と、いつも使っている「FE 24-70mm F1.4 ZA OSS」を比較しようということで、簡単な撮り比べをしてみました。詳細な比較は様々なベテランさんたちが試写されていますのでそちらにお譲りするとして、簡単な撮り比べを私が育てている「ユーフォルビア ホワイトゴースト」を被写体に撮影してみました。笑
- NEW MD F1.4
- NEW MD F2.8
まずはNewMDのF1.4とF2.8です。F1.4は極浅のピントですね。だいたい胴部分に合っているはずです。笑 周辺減光が凄いですね。解像感も無くふわーっとした画になってます。F2.8はF1.4に比べたら多少シャッキリしています。
ここからNewMDとFEの比較です。
- New MD F4
- SONY F4
- New MD F5.6
- SONY F5.6
- New MD F8
- SONY F8
画像サイズを落としたのでちょっと判別しづらいかもしれませんが、トーンやコントラストは全くいじっていません。
どうでしょう?当たり前なのですが、やっぱりこうしてみるとFE 24-70mm F1.4 ZA OSSが最新のデジタルに対応したレンズなので、同じ絞り値でもディティールまでしっかり再現されている印象です。New MDはF8まで絞っても被写体のエッジがまだハッキリしないですね。ただ色乗り、階調性もあるし画の雰囲気としては全然悪くないと思いました。
- New MD F1.4
- New MD F4
焦点距離ですが、MAX寄れてここです。やっぱF1.4はピント面うっすいですね!ピーキング使っているんですが、私の腕もあって静物以外のピント合わせは厳しいですね…。
まとめ
バックが無機質な壁だし、なんか棒みたいな植物が被写体だし、笑 もう少しボケ味や色乗りも確かめたかったんですが、検証としてはお粗末なものになってしまいました。しかし!今度書こうと思っている記事が、先日参加したとある”ものづくりワークショップ”なんですが、その様子をこのレンズで撮影してきたので、”実写編“としてワークショップの模様と一緒にレンズの雰囲気も見てもらえればと思います。(そのワークショップ自体もメチャ楽しかったので乞うご期待!)
初めて一眼レフカメラを買ってしばらく使っていると、だいたいの人は最初から付いているキットレンズに飽きてきて、違うレンズ欲しいなぁって思うようになってきます。そこでまた、だいたいの人が背景ボケを味わいたくて単焦点レンズが欲しくなってくるはず!そのレンズを選ぶ際に選択肢としてオールドレンズは”あり”だと思います。マニュアルフォーカスに自信がないという方も、最近の機種によってはフォーカスピーキングといってピント合わせを補助してくれる機能も付いていますし。
そして何といってもコストを抑えられるのが魅力的ですよね。もちろん古いレンズでも高いものもありますし、オールドレンズがまた使われるようになってから中古レンズ市場も価格が高騰していますが、それでも昔”銘玉“と言われたレンズが最新のレンズに比べてだいぶ安く手に入るので、色々なメーカーや色々な画角のレンズを試せるのはオールドレンズのメリットではないかと思います。
何より逆に現代のレンズでは出せない雰囲気や空気感を感じることが醍醐味ですし、仕事じゃない趣味なんだから、こういうところに本来カメラや写真が持っている楽しみ方、遊び方があるんじゃないかなぁと。そんな気がします。
追記
ワークショップの記事も公開しました。New MD 50mm F1.4で撮影しています。ぜひこちらも併せてご覧ください。
さらに追記
オールドレンズに新たな仲間が加わりました!植物撮影には欠かせないマクロレンズです。こちらの記事も是非見てやってください。