今月の頭”文化の日”を含めた3連休の中日に陶器市に行って参りました。文化の日近辺は全国の産地で陶器市が開催されているんですが、ほとんどの方が「あ〜益子ね。」と思うところあえて笠間で開催されていた「陶と暮らし 2017」の方へ参戦しました。
実は益子の陶器市は去年の秋に初めて行ったんですが、益子の洗礼を受けましたね…益子の陶器市は春と秋年2回開催されていて、今回で100回記念だったみたいですね。規模でいったらおそらく全国で最大級なんじゃないですかね?都心からも行きやすいので多くの人が集まるし、近年の陶器ブームで来場者はどんどん増えていってるようです。
去年行った時は電車で行くと何気にアクセス良くないし、車は大渋滞だぞという事前情報があったので、栃木の宇都宮まで電車で行って、それから路線バスで益子へ向かうルートにしました。行きはまぁスムーズで昼くらいに着いたんですが、帰りがヤバかった…
バスの車内はもちろん座れず立っていたんですが、バスが大渋滞に巻き込まれて1時間くらいのところを3時間くらい掛かって宇都宮に到着。朝に「帰り宇都宮で餃子食ってくかー」なんて軽く言ってたんですが、もう宇都宮についた頃にはボロボロに疲れ果ててみんな沈黙…みたいな状態でしたね。笑
しかも益子は街全体にエグい数のテントが並んでいて、器自体の数も多すぎるんで正直何買っていいか、というか何が良いものなのかわからなくなってくるんですよね。不思議と。もちろん知っている作家さんもいるんですが、特にお目当ての作家さんや窯元があるわけではないので、いっぱい見過ぎてもダメなんでしょうね。
そんな教訓もあって、今回は笠間の方へ行ってみました。
調べたところどうやら笠間には陶器市が1年で3回開催されているようです。1つ目が春のGWあたりに開催される「笠間 陶炎祭(ひまつり)」で、おそらくこれが一番規模も大きいし古くからやっていると思います。2つ目が秋の10月頭に開催されている「秋の大陶器市 笠間浪漫」です。そして3つ目は今回行ってきた「陶と暮らし」で、規模でいうとこの3つの中では一番小規模ですね。感覚から言うと益子陶器市の10分の1くらいかなぁ。会場は全て「笠間 芸術の森公園」で共通しています。
笠間焼とは
関東ローム層から出土する笠間粘土や花崗岩の風化によってできた鉄分を多く含む蛙目(がいろめ)粘土と呼ばれる陶土によって作られる。笠間粘土は粘りが強く粒子が細かいため焼き上がりが丈夫であり、当時の日常雑器としては理想的な土だった。
「特徴がないのが特徴」と言われている。戦後、伝統にこだわらない自由な作品が作れる笠間の気風を求めて各地から若い陶芸家たちが集まったためで、現在では安価で実用的な水瓶や徳利から芸術的で斬新なデザインのオブジェまで多種多様な焼き物が焼かれている。
引用:Wikipedia
笠間って益子のように陶芸の街という認識はもちろん持っているんですが、オーソドックスな笠間焼ってどんなの?と聞かれたら、たしかにわからないなと思って調べたら、なんとまぁ特徴がないのが特徴らしいです。それでも300人を超える陶芸家がいるようなのでスゴいですよね。まさに自治体も一緒に盛り上げている「窯業産地」ということでしょう。
実際に「陶と暮らし」に行ってきました
イントロデュースはこれくらいにして、実際に「陶と暮らし 2017」に行ってきました。連休の中日もう秋晴れの快晴で、上着を羽織っていると少し汗ばむくらいでした。(まぁ気持ち良いのも今のうちなんですけどね…)
レンタカーを借りて数人で行ったのですが、連休の中日だったからか行きはスムーズで、都内から2時間掛からないくらいで着きました。駐車場もそれほど混み合ってなくて15分くらい待っていたら駐車できました。
「陶と暮らし」は比較的新しいイベントで、もちろん陶器を中心にしているのですが、焙じ茶淹れ方ワークショップや、箸作りワークショップなどもあり、タイトルの通り陶器市というよりクラフト市に近い位置づけのようですね。
会場は笠間 芸術の森公園内の「笠間工芸の丘」です。陶炎祭は同じ公園内の東側にある「イベント広場」で開催されていて、そちらのほうが広いです。
この建物が工芸の丘のランドマーク的な「センタープラザ」で、ショップやギャラリーが併設されています。
そしてこちらの施設が「茨城県陶芸美術館」です。ちょうどこの時も”ヘレンド展”という展覧会が開催中でした。
このカワイイお店は「陶くらカフェ」です。このカフェは出店作家さんのマグカップやコップがズラーっと置いてあって、好きなカップで飲めるようになっています。さらに気に入ったらそのまま購入も出来てしまうようです。たしかに使ってみないとわからないことありますよね。
この時はやっていませんでしたが、陶芸家による「ろくろ実演コーナー」などもありました。
出店数はマップで見る限りNo.73までナンバリングされていますね。益子の陶器市に比べるとだいぶコンパクトですし、1時間~2時間もあれば全て見れますので、一回全部見たあとに目星を付けた所へ戻るなんてことも全然可能です。益子の場合は戻るのも一苦労なので、ここで買わないと!というプレッシャーも勝手に感じてしまいます。見ていると窯元が3割、作家6割、陶器以外の工芸品1割くらいの割合でした。
約2時間くらいでしょうか。ぐるっと回ってみたのですが、結局ピンとくるものがなく購入はしませんでした。急須かティーポットが欲しいなぁと思っていたんですが、作家物になるとポット類は手間が掛かるので結構いいお値段しちゃうんですよねぇ。ガシガシ普段使いできるものはそれほどありませんでした。それでも器見るの楽しいです。
公園内では他にも「いばらき ストーンフェスティバル」というなかなか渋めのイベントもやっていたようで、(笑) 多くの人で賑わっていました。芝生が綺麗に整備されていてピクニックな雰囲気の親子連れも沢山いました。
その後は少し移動して「回廊ギャラリー” 門 ”」へ。
回廊ギャラリー 門は2002年に笠間焼陶芸家10人が共同でオープンさせたギャラリーで、展示スペースが長さ50メートルの回廊になっています。300年前の古民家の梁を再利用した造りになっていて、自然光で作品を見ることが出来ます。この日は晴れていたのでギャラリーにも日差しが入ってきてとても綺麗で居心地が良かったです。
その後お腹が空いたので、お昼ごはんを食べに笠間稲荷神社周辺へ。
ちょうどこの時「笠間稲荷 菊まつり」がやっていて、こちらもとても賑わっていました。(イベントだらけですね) お稲荷様でお参りしたあとはお蕎麦屋さんで昼食。お稲荷さんということで、どうやら”くるみ入りいなり寿司”が有名らしくて食べたんですが結構美味しかったです。
そして陶器市もお稲荷さんも満喫したし、早めに家路につこうとした途端ですよ…
まさかのゲリラ豪雨
久しぶりの豪雨でしたね。陶器市大丈夫だったのかな?えげつない降り方してましたよ。益子なんてテントの数が凄いんで、参加者も出展者も相当大変だったんではないでしょうか?おそらくその影響で、行き2時間だった道も渋滞になってしまい3時間半かかりました…どうしてこうも色々と巻き込まれるのか。順調にいった例がない!笑
今回の戦利品
ドン!と実は回廊ギャラリーでお皿をゲットしていました!
ポットも欲しかったんですが、大きめのお皿が欲しいなぁと思ってたら、シンプルでお値段も手頃な皿を発見しまして思わず購入しちゃいました。中村恵子さんという作家さんの器らしく連絡先の紙も入っていました。益子の作家さんのようです。
使いやすそうですよね。色味も素朴な草色で、色々な料理に合いそう。一緒に行った友人も2枚買っていました。笑 今度料理を盛り付けた写真もInstagramにアップしようかな。
まとめ
陶器をみるのはやっぱり楽しいですねー。量産品の磁器も悪くはないんですけど、やーっぱり窯元や作家ものの器は料理が映えます。
今は器ブームで人気の作家さんの作品は、益子の陶器市でも朝から整理券を配布するくらい人が集まったり、百貨店で個展を開催すると初日に作品がほとんど無くなってしまうようですね。私は特定の作家さんのファンとかではないので、コレクションのように集めたりはしません。どちらかというと料理を引き立たせてくれるか?自分の生活の風景にその器は合っているか?という基準で購入しますが、植物を買うときも似たような基準かもしれません。自分の身の丈にあったもので楽しんでいます。
この器を使う度に笠間に行ったこと、笠間稲荷でいなり寿司たべたこと、ゲリラ豪雨にあって渋滞に巻き込まれたことを思い出すんでしょうね。笑 そうやってちょっとずつ旅の思い出と共に器も増えていけばいいなと思います。