パナマ出身のWilson三兄弟が中心となり、68年にニューヨーク・ブルックリンで結成されたMandrill(マンドリル)。そう、あの猿のマンドリルだ。自分なら仲間でバンドを組むことになり、バンド名は「マンドリルにしよう」と提案されたら即却下だし、提案したメンバーとこの先一緒にやれるか不安になってしまうが…。
しかも今回紹介する「Composite Truth」は3rdアルバムなのだが、前々作の1stアルバム「Mandrill」のジャケットデザインはおどろおどろしいフォントに、マンドリルのアップの写真が見た者にとてつもないインパクトを与える。一度見たら忘れられず、赤子は泣き出してしまうレベルだ。
こんなクレイジーなデザインのジャケットにふさわしく、バンドの音楽性も破天荒。マンドリルの音楽性を”雑食”と表現しているのをよく目にするが、確かにその通りで、ファンクバンドでありながらパナマ出身らしくカリプソもあれば、サルサあり、ロックあり、アフロありと本当に何でもアリなのだ。その雑多な音楽性は今回紹介する3rdアルバムに最も色濃く出ている。
その中でも動画の楽曲A-2「Fencewalk」はド頭から激しいホーンが炸裂し、唸るベースラインにアフロなリズム、男たちの咆哮。ニューヨークのゲトーの喧騒が今にも聞こえてきそうだ。
多種多様な人種、宗教、価値観。それをごった煮にしたまさしく70年代当時のブルックリンを象徴するようなバンドなのかも知れない。テンション上げたい時にオススメする一枚。
DISC INFO
Song : A-2 / Fencewalk
Album : Composite Truth
Artist : Mandrill
Year : 1973
Label : Polydor – PD5043
Country : US
Discogs : https://www.discogs.com/ja/Mandrill-Composite-Truth/release/493950