BRAZIL, SOUL,

1973 -Tim Maia –

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“PENTHOUSE RECORDS”記念すべき初投稿。

一発目ということで今回紹介するのは、私自身の「死ぬ前に聴きたいアルバム」の暫定第一位Tim Maia(チン・マイア)の「1973」だ。(こちらはポリグラムが2016年に再発した180g重量盤。その後も2017年に別のブラジルのレーベルが再発した盤もあるが、ジャケがオリジナルと変わっている。)

チン・マイアは言わずと知れたブラジリアンソウルの帝王であり、レジェンドだが、デビュー前はアメリカでソウルシンガーとして活動するも中々芽が出ず不遇の時代を過ごす。帰国後デビューの機会を掴みデビューアルバムがヒットしたことでその後の地位を確立する。デビュー後は数々の名盤、名演を残すが、1998年にライブ中に倒れ55歳という若さで帰らぬ人となる。

チン・マイアのデビューアルバムは「1970」で、今回紹介するのが「1973」。初期の年代シリーズと呼ばれる作品たちで、作品名と書いているが実はこれタイトルではない。盤にTim Maiaとだけ記されているアルバムたちで、それらを区別するために年代で呼んでいる。初期の年代シリーズは1970年から73年まであるが、(正確にはその後も何枚か存在する)どれも負けず劣らず超名盤である。

その中でも私のお気に入りが本作1973だが、その理由は初期のアルバム1970〜1973のを通して最も軽やかで、陽気で、ブラジルらしい雰囲気が感じられる所だ。(あくまで個人的な印象)

並外れた歌唱力を持つチンマイアが情緒たっぷりに歌い上げる本格的なソウルミュージックも、もちろん素晴らしいが、このアルバムはブラジルの太陽と海、休日の朝と夕暮れ、男女が囁く愛の言葉と子どもたちの遊ぶ声。そんなイメージがアルバムを通して感じられるのだ。それは私が持つブラジルのイメージそのものであり、なんとも多幸感に溢れている。

ベースはもちろんソウルミュージックだが、サンバやボッサなどブラジル音楽のパーカッションやリズムが楽曲の調子を支配しているのでソウル独特の”くどさ”は無く、あくまで軽快。尚且メロディもうっとりするほどに美しい。全編通して捨て曲無し!と言えるほどこの盤は完璧であり、チンマイアの最高傑作だと私は断言する。

良く晴れた休日の午前中に淹れたてのコーヒーを飲みながらこのアルバムを聴くのが至福の一時だ。

DISC INFO

Song : A-1 / Réu Confesso

Album : 1973

Artist : Tim Maia

Year : 2016 (Reissue)

Label : Polysom ‎– 33283-1

Country : BRAZIL

Discogs : https://www.discogs.com/ja/Tim-Maia-Tim-Maia/release/8825763